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ハイテクならびにインターネット・セクターの近況
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

ハイテクならびにインターネット・セクターの近況

2017/5/15
第1四半期決算が出揃った。フェイスブックの決算は良かった。アルファベットはYouTube広告を巡る大手ブランド離反にもかかわらず良い決算だった。アップルの決算はまちまちだったが、投資家はiPhone8に期待をつないでいる。アマゾンの決算は良かった。ネットフリックスの決算はサブスクライバー成長が予想を下回った。
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【今日のまとめ】

  • 第1四半期決算が出揃った
  • フェイスブックの決算は良かった
  • アルファベットはYouTube広告を巡る大手ブランド離反にもかかわらず良い決算だった
  • アップルの決算はまちまちだったが、投資家はiPhone8に期待をつないでいる
  • アマゾンの決算は良かった
  • ネットフリックスの決算はサブスクライバー成長が予想を下回った

第1四半期決算が出揃った

ハイテクならびにインターネット・セクターの主要企業の第1四半期決算が出揃いました。そこで今日はそれらの決算について解説します。

まず総評としては今回も主要企業の決算は総じて良かったです。このところの米国株式市場は一握りのネット株やハイテク株によって牽引されている観がありますが、そうした人気を正当化するだけの内容を伴った決算でした。

フェイスブック

フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の第1四半期決算は、GAAPベースEPS予想86¢に対し結果$1.04、GAAP売上高予想78.3億ドルに対し結果80.3億ドルでした。

なお今回の決算からフェイスブックは完全にGAAPへ移行しました。決算発表に先立つアナリスト達の予想はノンGAAPを使用したものが多かったです。ノンGAAPベースでのコンセンサスEPS予想は$1.12なのですが、これは比較の際、使用すべきではありません。

なお売上高の前年比較を行う際も、向こう1年間はノンGAAPとGAAPという、違う基準での売上高同士の比較となりますので、比較の際に注意を払う必要があります。

デイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)は+18%の12.8億人、マンスリー・アクティブ・ユーザー(MAU)は+17%の19.4億人でした。またモバイル広告収入が総売上高に占める割合は85%でした。

第1四半期の設備投資額は12.7億ドルでした。

バランスシート上のキャッシュは323.1億ドルでした。

フェイスブックは、過去2回の決算発表で行ったのと同様に、今回の決算カンファレンスコールでも「今後の売上成長はタイムラインに表示される広告の表示頻度を抑えるので、鈍化する」と警告しました。

実際のところ会社側の控え目なコメントに反し、これまでの決算では広告表示頻度の抑制の影響は、殆ど感じられませんでした。

アルファベット

アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)の第1四半期決算発表はEPSが予想$7.38に対し$7.73、売上高が予想241.8億ドルに対し247.5億ドル、売上高成長率が前年比+22.2%でした。

営業マージンは27%でした。これは去年同期の26%から改善しました。

実効税率は20%でした。これは第4四半期の22%から下落しました。

グーグル・プロパティ売上高は174億ドルでした。去年同期は143億ドルでした。

広告収入は214億ドルでした。去年同期は180.2億ドルでした。

その他売上高は30.9億ドルでした。去年同期は20.7億ドルでした。

売上高に占めるTAC比率は22%でした。去年同期は21%でした。

アグリゲート・ペイド・クリックは+44%でした。ちなみに過去の数字は

2016年4Q +36%

2016年3Q +33%

2016年2Q +29%

2016年1Q +29%

でした。

アグリゲート・コスト・パー・クリックは-19%でした。ちなみに過去の数字は

2016年4Q -15%

2016年3Q -11%

2016年2Q -7%

2016年1Q -9%

でした。

グーグル・プロパティにおけるコスト・パー・クリックは-21%でした。グーグル・ネットワーク・メンバー・プロパティにおけるコスト・パー・クリックは-17%でした。

今回の決算発表を前に大手ブランド各社が続々とYouTube広告への出稿を取りやめるという事件がありました。その背景には大手ブランドの広告が、ヘイトなどのふさわしくない動画とともに表示されてしまい、ブランド・イメージの毀損を恐れた広告主がアルファベットに対して改善を求めたことがあります。

アルファベットは自社のアルゴリズムにより不適切なサイトの排除に努めていますが、なかなかAIが広告主の要求度に追いついていません。そこでアルファベットは、そもそも再生回数が1万回に満たないサイトでは、広告の表示そのものを止めてしまうという措置を発表しました。これが今後のYouTube広告の伸びにどれほど影響を及ぼすか注目したいと思います。

それを断った上で今回の決算を振り返ると、問題のYouTube広告はグーグル・プロパティ売上高の中に含まれます。それは今期174億ドルと好調でした。またアグリゲート・ペイド・クリックも+44%と快調でした。つまりネガティブ・パブリシティの影響は、これらの数字を見る限りそれほど現れていないということです。

アップル

アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の第2四半期(3月期)決算はEPSが予想$2.02に対し$2.10、売上高が予想530.8億ドルに対し529億ドル、売上高成長率は前年比+4.6%でした。

iPhone販売台数は予想5,250万台に対し5,080万台でした。ちなみに去年同期は5,120万台でした。

iPad販売台数は予想960万台に対し890万台でした。ちなみに去年同期は1,020万台でした。iPad販売台数が1,000万台の大台を割れたのは過去6年で初めてです。

Mac販売台数は予想420万台に対し420万台でした。ちなみに去年同期は400万台でした。

グロスマージンは予想38.8%に対し38.9%でした。ちなみに去年同期は39.4%でした。

第3四半期売上高は予想456.5億ドルに対し、新ガイダンス435~455億ドルが提示されました。またグロスマージンは新ガイダンス37.5~38.5%が提示されました。

アップルの取締役会は去年発表した1,750億ドルの自社株買戻しプログラムを2,100億ドルに増額しました。また四半期配当は63¢に引上げられました。

今回の決算ではiPhoneの販売台数が予想を下回りましたが、市場参加者の多くはこれを(iPhone8発売前の買い控えのせいだ)と考えています。従って予想に届かなかったことを問題視する声は少なかったです。

逆に言えば、今年でちょうど10周年となるiPhone8に対する市場の期待がとても高まっていることを意味します。そのiPhone8の価格設定ですが、一説には1,000ドルを超えるという予想もあり、この大幅な値上げがアップルの利益を押し上げることが期待されています。

アマゾン

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の第1四半期決算発表はEPSが予想$1.10に対し$1.48、売上高が予想353.1億ドルに対し357.1億ドル、売上高成長率は前年比+22.6%でした。

営業利益は予想9億ドル、ガイダンス2.5~9億ドルに対し10億ドルでした。

AWS売上高成長率は+43%、売上高は28億ドルでした。

第2四半期は予想369.2億ドルに対し352.5~377.5億ドルが提示されました。営業利益は予想14.8億ドルに対し4.25~10.75億ドルが提示されました。

なおアマゾンは家具のネット通販に今後力を入れるため全米4か所にそれ専用の配送センターを作ると報じられました。家具は食品と並んでネット通販の成長率が最も著しい分野です。

ネットフリックス

ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)の第1四半期決算はEPSが予想37¢に対し40¢、売上高が予想に一致する26.4億ドル、売上高成長率は前年比+34.7%でした。

「ハウス・オブ・カーズ(シーズン5)」の制作費用が当初予定されていた第1四半期から第2四半期へズレ込んだため、第1四半期の営業マージンは計画(7%)より高い9.7%でした。この関係で第2四半期の営業マージンは4.4%にとどまると予想されます。通年では7%を維持できると会社側では見ています。

また新番組が来期にズレ込んだ関係で、新規加入者増も予想を下回りました。第2四半期には、その分、新規加入者が増えると予想されます。

このような新番組のタイミングに絡み四半期加入者増にバラツキが見られる現象は、オンデマンド・ストリーミングの潜在成長力や加入者増の長期トレンドとは無関係です。

海外部門売上高は為替要因を除くと前年比+62%でした。平均単価(ASP)は+12%でした。また第1四半期は海外部門が初めて黒字転換しました。

2017年のマーケティング費用は10億ドルを見込んでいます。

アマゾンがNFLに参入したことに関しては、ネットフリックスは連続ドラマ制作に資金を投入した方がリターンは高いと考えています。

当面、営業マージンはゆっくり拡大させる考えで、むしろオリジナル番組にどんどん先行投資することで新規加入者を獲得することを優先したい考えです。

このためフリー・キャッシュフローは当分赤字が続くと予想しています。第1四半期のフリー・キャッシュフローは-4.23億ドルでした。ちなみに2016年第4四半期は-6.39億ドルでした。2017年通年では-20億ドルのフリー・キャッシュフローを予定しています。

第1四半期の国内新規加入者数はガイダンス150万人に対し142万人でした。これで国内総加入者数は5,085万人になりました。ちなみに2016年第4四半期は193万人でした。

第2四半期は60万人を見込んでいます。(旧ガイダンスは50万人でした)

第1四半期の海外新規加入者数はガイダンス370万人に対し、353万人でした。これで海外総加入者数は4,789万人になりました。ちなみに2016年第4四半期は512万人でした。

第2四半期は260万人を見込んでいます。(旧ガイダンスは210万人でした)

国内・海外を合わせた総加入者数は9,875万人でした。第2四半期は1.02億人を見込んでいます。

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