【米ドル/円】米経済指標の改善を受け一段高

昨日までの動向

米ドル/円は2日続けての陽線引けとなりました。
東京市場で米ドル/円は底堅く推移。中国の新規融資やマネーサプライが事前予想を上回る伸びを示したことに加え、鉱工業生産高が前年同月比+19.2%と事前予想を上回る強い数字となり、投資家のリスク選好による円売りが優勢となったことから米ドル/円が上昇。心理的な節目88.50-55レベルを上抜き、88円台後半レベルまで上昇する動きとなりました。

なお、中国への融資やマネーサプライの過熱警戒により、来年にかけての中国政府による国内の景気引き締め強化に対する懸念が浮上していましたが、中国の国家統計局から「インフレはない」、「物価は依然として低く、上昇も緩やか」との見解が示され、引き締め懸念が後退したこともリスク選好による円売り支援材料として寄与したようです。

欧米市場に入り米経済指標の改善を受けて米ドル/円は一段高に。 東京時間22:30に発表された米11月の小売売上高は事前予想の0.6%のところ結果1.3%に、また東京時間24:00に発表された12月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は事前予想の68.8のところ結果73.4となり共に事前予想を上回る強い数字をなりました。 米経済指標の改善を受け米ドルが主要通貨に対して上昇。米ドル/円は一時89.70-75レベルにまで急上昇する動きとなりました。

4日に発表された米雇用統計の大幅改善、そして今回の米経済指標の好結果を受け、今週15-16日に予定される、今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策会合で金利見通しの時間軸である「長期間(for an extended period)」との文言が見直されるとの期待が先行。これを受け、米10年債の利回りが大幅に上昇(債券価格は下落)したことなども、米ドルの上昇を後押しする材料として寄与したようです。

本日の展望

2日続けての陽線引けとなり、NYクローズベースにおいても心理的節目とされた88円台なかばレベルを上回ってきたことなどから、テクニカル的には続伸を期待させる形となっています。上値では次の心理的節目90.00レベルを上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。同レベルをしっかりと上抜いた場合、一目均衡表の雲の下限(先行スパン1)が次の上値ターゲットとなりそうです。

一方、下値では11日に上抜け成功となった直近上げ幅のフィボナッチ押しに該当する88.50レベルを維持できるかが焦点となりそうです。

今週の注目材料として、米経済指標関連では12月NAHB住宅市場指数(15日)や11月住宅着工(16日)など住宅関連指標のほか、11月鉱工業生産(15日)や11月コンファレンスボード景気先行指数(17日)、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(17日)の発表が予定されています。

また、本日14日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府系持ち株会社ドバイ・ワールドが債務の返済延期を要請している問題で、傘下の不動産開発会社ナヒールのイスラム債35億2,000万ドルが、14日に償還日を迎えます。

本日の主な指標

本日、米国の主な経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円】中国経済指標を受け底堅い動き

昨日までの動向

豪ドル/円は2日続けての陽線引け。
米格付け機関のムーディーズが「現時点で英国と米国のソブリン格付けを変更する予定はない」との見解を述べたことを受けリスク選好姿勢が回復。また、中国の新規融資やマネーサプライの伸び継続、工業生産の上振れなどにより、一時、資源相場が上昇に転じたことも、資源産出国通貨の豪ドルの支援材料として寄与したようです。

欧米市場では米経済指標の改善が好感され、リスク選好による円売りが強まったことなどから豪ドル/円も81円台後半までレベルにまで上昇。ただ、米国の小売売上高の改善や米利上げ前倒し観測などから、豪ドルが対米ドルで下落しており、豪ドル/円の上値を抑えたようです。

本日の展望

一目均衡表の雲のなかに突入後、一時雲の上限を上抜ける動きとなったもののその後、押し戻され、やや長い上ヒゲを残す足形となっています。

上値では一目均衡表の雲の上限(先行スパン1)をしっかりと上抜くことが出来るかが焦点となりそうです。本日、一目均衡表の先行スパン1は81.60-65レベルに位置しています。

一方、雲の上抜け失敗となった場合、同レベルを背景とした戻り売りリスクにも注意を払いたい場面です。下値ターゲットとして一目均衡表の雲の下限(先行スパン2)が位置する80.80-85レベル、基準線が位置する80.30-35レベルなどがあげられます。

今週15日、日本時間09:30にはRBA(豪準備銀)政策会合議事録の発表が、また16日、日本時間09:30には第3四半期豪州GDPの発表が予定されています。

本日の主な指標

本日、主な豪州の経済指標の発表は予定されていません。

12月15日の豪州経済指標

東京時間09:30:(豪)新規住宅-3Q 予想6.0% 前回-3.7%
東京時間09:30: RBA(豪準備銀)政策会合議事録

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。