【米ドル/円 大幅続落、年初来安値87.10-15レベルが視野に】

昨日までの動向

米ドル/円は大幅続落。1円を超える大陰線引けとなりました。

東京市場全般で米ドル/円は軟調に推移。
朝方発表された10月の貿易黒字額が事前予想4655億円のところ結果は8071億円となりリーマンショック以降、最大となったことや、5日、10日(ゴトウビ)にあたり一部の輸出企業を含めた実需筋が円買い/ドル売りを進めたことで米ドル/円が続落。88円台なかばレベルを割り込むと断続的にドル売りを誘発するストップロス注文を巻き込み、一時88.20-25円レベルにまで下げる展開となりました。その後は、日本の財政懸念が円高を抑えると共に、豪ドル/円をはじめとするクロス円での円安の影響を受けて米ドル/円も88円台前半レベルで下げ渋る動きとなりました。

欧州市場に入り、米ドル全面安が再燃。
前日の米国市場でのGDP下方修正やFOMC議事録での低金利長期化見通しを受けて、欧州勢参入とともに改めて米ドル売りが進展。欧州勢参入後、米ドル/円は88円台前半レベルでじり安となっていましたが、88円台を割り込むと大口のストップロスを伴う米ドル売り/円買い注文を巻き込み大幅下落。一時87円50-55前後まで急落する動きとなりました。

NY市場では、昨日同様、米ドルは主要通貨に対しほぼ全面安の展開に。 前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で、超低金利政策の長期継続姿勢が改めて確認されたほか、会合参加メンバーが最近のドル安基調について秩序だったものとの認識を示したことが、FRBの事実上の米ドル安容認と解釈され、米ドル売りが加速。これを受け、米ドル/スイス・フランはパリティー(等価)を割り込み、またユーロ/米ドルは1.51台に乗せるなど米ドル全面安が進展しました。米ドル/円でも約13年半ぶりの安値更新となった1月21日、87.10-15円レベルに迫る87.15-20円レベルまで下げる展開となりました。

加えて、国営ロシア通信がロシア中央銀行がカナダ・ドルを準備通貨に加える計画を検討している、と報じたことで他の主要国中銀による追随観測も浮上。これも米ドル売りに寄与したようです。

なお、この日発表された新規失業保険申請件数は事前予想50.0万件のところ結果46.6万件とこのところの改善を示す判断基準50万件台を割り込む好数値を記録。また、10月新築住宅販売件数は結果43.0万件と事前予想の40.4万件を大きく上回る数字となりましたが、直接的な米ドル支援材料にはつながらず、むしろリスク選好姿勢を助長し、世界的な株価の上昇、さらに商品先物投資の活発化を招いたことでドル・キャリートレードを一層加速させる結果となりました。

本日の展望

先週初の16日より形成してきた88.55~89.70円レベルのレンジを割り込んだことで米ドル売りが加速。下値ターゲットされた10月7日の安値88.013円も下抜く展開となったことから、引き続き米ドル続落リスクを注視しての取引となりそうです。下値では1月21日の安値87.10-15を視野に捉えての値動きとなりそうです。

ただ、オシレーター系テクニカルチャートのRSIは短期的に売られ過ぎの領域を推移しており。一時的な米ドルの反発上昇にも注意を払いたい場面です。このところ米ドル/円の上値制御を継続している一目均衡表の転換線が位置する88.40-45レベルが上値ターゲットとなりそうです。

本日の主な指標

米感謝祭(サンクスギビングデー)
米国の主だった経済指標の発表は予定されていません。
参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 米ドル/円の下落にに牽引され一時81円台前半レベルまで下落】

昨日までの動向

豪ドル/円は上下にやや長いヒゲを残す小陽線引け。

東京市場では豪ドル/円は堅調に推移。
金価格が強含みに推移していることなどを受け豪ドルなど資源産出国通貨が底堅く推移。米ドル/円主導で全般的に円買いが目立つクロス円のなかで、豪ドル/円は逆行高となりました。東京時間、朝方に発表された7-9月期豪建設工事統計が事前予想を上回ったことやバタリーノRBA(豪州中銀)副総裁が講演で、豪州経済について「新たな成長段階に入った」などと発言したことも、豪ドル支援材料として寄与したようです。豪ドル/円はじりじりと上昇し一時82円台乗せを窺う展開となりました。

欧米市場に入り豪ドル/円が反落。
米ドル/円が88円台の節目を割り込んだのち、大幅下落。米ドル/円の円高にに牽引され、豪ドル/円も81円台前半レベルまで下げる展開となりました。ただ、下値では投資家の豪ドル買い意欲が依然根強く、81円台割れで下げ止まると81円台なかばレベルに再び戻す展開となりました。

本日の展望

ここ数日サポートとして寄与してきた雲の上限を昨日終値ベースでやや割り込む動きとなりました。本日、先行スパン1は81.70-75円レベルに、また先行スパン2は80.55-60レベルに位置しています。今後、雲の上昇に沿って、同レベルを支持線とし下値を切り上げ、上昇に回帰となるか、または雲を下抜け下降トレンドに転換するかを見極める重要な局面にあるようです。

一目均衡表の遅行スパンは26日のローソク足を下抜け暗転を示唆。また、一目均衡表の転換線も下向き転換し基準線を下抜くデッド・クロス=売りサインを示唆していることが気がかりです。 一方、上値では一目均衡表の転換線や基準線線が位置する82.25~40レベルがターゲットとなりそうです。昨日は82.00-05レベルが壁となり豪ドル/円が反落。まずは同レベルをしっかりとクリアできるかが焦点となりそうです。

本日の主な指標

東京時間09:30 (豪)民間設備投資-3Q 予想1.0% 結果-3.9% 前回2.1%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
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