【米ドル/円 新規失業保険申請件数の改善が好感され一時急伸】

昨日までの動向

米ドル/円は昨日陽線引け。
東京市場序盤、豪州の雇用指標が予想を上回り、豪ドルが対円、対米ドルで上昇。豪ドル/円を始めとしたクロス円が強含む中、米ドル/円は米ドル安と円安の双方の動きに挟まれこう着する動きとなりました。

東京市場後半では、米ドル/円はやや軟調に推移米金融緩和の長期化を受けたドル・キャリートレードによる米ドル安継続の見通しや米国債券の利払い、償還に伴う米ドル売りが優勢となり、米ドルは対円でも下落。じりじりと値を下げ一時89.60-65レベルにまで下落する動きとなりました。

NY市場に入り、米ドルが全面的に堅調推移。NY市場序盤に発表された米新規失業保険申請件数が50.2万件と事前予想の51.0万件を下回る内容となりました。米失業保険の改善結果を背景に米ドルが急伸。90円の前半に観測されたストップロス注文を巻き込みながら値を切り上げ、一時90.50レベルを付ける動きとなりました。その後は一旦上げ渋ったものの、米30年債の入札が不調に終わった事で米長期金利が上昇したことから再び米ドル/円も再び上昇に転じ、昨日高値90.60レベルを付ける展開となりました。その後は利益確定の米ドル売りなどにより小幅に下げるものの90円台を維持してNYクローズを迎えました。

本日の展望

米ドル/円は上値を阻まれ続けていた厚い雲の下限をついに上抜く動きとなりました。重要な抵抗線が打ち破られたことから、今後は逆にこの雲の下限が強力な支持線として機能するかを見極める局面にあるようです。雲の下限は目先89.75~90レベルに位置しており、同レンジを下値として、今後の雲の下限の上昇と合わせ、上昇に移行となるかが焦点となりそうです。米ドル/円の本日の下値ターゲットは雲の下限が位置する89.90-95レベル。一方、上値ターゲットは一目均衡表の転換線と基準線が位置する90.30~40レベルがあげられます。なお、その転換線は基準線を下から上抜くゴールデン・クロス=買いシグナルに直面してきています。

本日の主な指標

東京時間22:30:(米)貿易収支-9月 予想-318億USD 前回-307億USD
東京時間22:30:(米)輸入物価指数-10月 予想1.0% 前回0.1%
東京時間22:30:(米)輸入物価指数-10月(前年比)予想-5.5% 前回-12.0%
東京時間24:00:(米)ミシガン大学消費者信頼感指数-11月(速報値) 予想71.0 前回70.6

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 強い経済指標が好感され上昇も84円台では上値重い】

昨日までの動向

豪ドル/円はやや長い上ヒゲを残す陰線引け。
強い経済指標が好感され東京市場序盤で豪ドル/円は一時急伸。豪州の10月新規雇用者数はプラス2万4,000人となり、事前予想のマイナス1万人を上回った事が好感されました。同指標は豪中銀による利上げの影響や、今後の利上げピッチなどを探る上で注目されていました。指標発表後豪ドル/円は84円に乗せ一時84.10-15レベルにまで上昇する動きとなりました。ただ、その後のスワン豪財務相による「刺激策を撤回させるには時期尚早」、「豪失業率はさらに上昇するだろう」とのコメントなどを受け伸び悩み、利益確定の売りに押され、再び83円前半にまで下げる動きとなりました。

米経済指標の発表を受け、豪ドル/円は再び急伸するもののその後は下落。米失業保険の改善を受け米ドル/円が急伸。クロス円の上昇に連れ、豪ドル/円も再び急伸し84円台に乗せる動きとなりました。ただ、欧州株がマイナスに転じたことやダウ先物が一時下げ幅を広げたことから、その後、リスク回避の動きが強まり米ドルや円を買い戻す動きが優勢となりました。豪ドル/円は利益確定の戻り売りに押され、再び83円台前半にまで下げる展開となりました。

本日の展望

豪ドル/円は、2日の安値79.40-45レベルで底を打ち、反発に転じ上昇トレンドを継続する動きとなっていまが、直近上値では84円台が抵抗線として寄与しおり、豪ドル/円の上値を阻み続けているもよう。今後、上昇トレンドを継続するにあたり、まずは84円台を上抜け定着となるかが焦点となりそうです。なお、一目均衡表の転換線が上から基準線を下抜くデッドクロス=売りサインが観測されるも、基準線自体は上昇を継続、転換線も上向き基調となっている。

一方、一目均衡表では目先、「変化日」を示唆する雲のネジレが観測されていることが気がかり。11月2日価格がこの雲のネジレを通過した際には79.40-45レベルにまで急落する動きが観測されました。目先、豪ドルの買われ過ぎ調整を示唆するような雲のネジレが観測されたことから、現段階からの高値売り抜けのタイミングが意識されやすいもよう。また、豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから大きく乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクにも注意を払いたいところです。

本日の主な指標

主な豪州の経済指標の発表は予定されておりません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

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