【米ドル/円 材料難から小幅な値動きに終始】

昨日までの動向

米ドル/円は昨日も小陰線引け。方向感の乏しい値動きとなりました。 東京市場では米ドル/円が一時軟調に推移。格付け機関フィッチによる英国の格下げ懸念で、一時対円で英ポンド売りが強まり、クロス円全般に波及し、米ドル/円も下落したもよう。東京市場前半ではおおむね90円台近辺での小動きが継続していましたが、東京市場午後に入り、格付け機関フィッチ・レーティングスが「英国は主要国で最もトリプルエーの格付けを失うリスクがある」とのコメントを発表。これを受け、英ポンド/円が急落し、米ドル/円もつられて値を下げました。ただ、11日の米ベテランズデー(退役軍人の日)を前にした一時的なポジション調整の動きに留まり、その後、英ポンド/円が下げ幅を縮めると米ドル/円も再び90円台近辺に戻す動きとなりました。

欧米市場に入り、米ドル/円は材料難から小幅な値動きとなりました。 欧州時間に発表された独ZEW指数の下振れをきっかけに短期筋による投機的な動きが一時活発化し、ユーロ/円の動きにつられ米ドル/円も一時大きく振れる動きとなりましたが、売買一巡後は再び落ち着いた動きとなり90円台近辺でのもみ合いとなりました。また、昨日は主だった米経済指標の発表がなかったことに加え、11日はベテランズデー(退役軍人の日)で米国市場が休場となるため、薄商いとなり方向感の乏しい値動きを継続しました。一方、日米財務相会談が日本時間の10日の夜に行われ、藤井財務相がガイトナー米財務長官との会談で「強いドル」を支持する考えを示しましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の展望

右肩下がりを続ける一目均衡表の転換線や厚い雲に上値を阻まれ、徐々に上値を切り下げる動きを継続しています。上値では一目均衡表の転換線と雲の下限が位置する90.10~40レベルを上抜けることができるかが焦点となりそうです。一方、下値では6日に下げ止まった89.60-65が目先のサポートとして寄与しており、同5レベルを下抜くと2日の安値89.15-20レベルを視野に捉えての取引となりそうです。米ドル/円はここ2日間で90.20から89.70レベルでの狭いレンジに収まる動きとなっています。本日NY市場は休場となることから引き続き狭いレンジでの値動きが予測されます。ただ、材料次第で流動性が低い中、大きく動く可能性があり、そうした場合でのレンジ相場からの上離れ・下離れリスクにも注意を払いたい場面です。

本日の主な指標

米ベテランズデー(退役軍人の日):米国市場休場
本日、主だった米経済指標の発表は予定されていません。

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円】

昨日までの動向

豪ドル/円は昨日、小陽線引け。93円台でのもみ合いとなりました。東京時間序盤、豪ドル/円は堅調に推移。豪州の10月企業景況感指数が12となり、9月の3から上昇。またオーストラリアのクリーン貿易相は10日、記者団に対し、豪ドルの強さは市場の見方を反映したものとの見方を示し、オーストラリアの製造業者は豪ドル相場のさらなる上昇への対応を準備しておく必要があると述べたことが豪ドルサポート要因として寄与したもよう。豪ドル/円は一時83.80-85レベルにまで上昇する動きとなりました。ただ、海外格付け機関のフィッチが英国の格下げの可能性について言及したことで英ポンド/円で円高が進行。クロス円全般で円高圧力が一時強まり、豪ドル/円も一時83円台前半レベルにまで下げる場面がありました。

欧米市場に入り、豪ドル/円は上値の重い展開に。NY原油先物が前日大幅高の過熱調整などにより反落。前日からのリスク選好に過熱調整が見られる中、為替相場でも資源産出国通貨の調整材料となり利益確定の売りに、豪ドルも押される展開となりました。全般的に材料に乏しい中、豪ドル/円は83円台前半から後半レベルでの狭いレンジでのもみ合いとなりました。

本日の展望

豪ドル/円は、2日の安値79.40-45レベルで底を打ち、反発に転じ上昇を継続する動きとなっています。直近上値では84円台乗せを視野に捉える動きとなっています。今後は84円台に控える戻り売りなどをこなしながら年初来高値85.25-30レベルを捉えることができるかが焦点となりそうです。

一方、一目均衡表では目先、変化日を示唆する雲のネジレが観測されていることが気がかり。なお、11月2日価格がこの雲のネジレを通過した際、79.40-45レベルにまで急落する動きとなりました。目先、豪ドルの買われ過ぎ調整を示唆するような雲のネジレが観測されたことから、現段階からの高値売り抜けのタイミングが意識されやすいもよう。豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから大きく乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクにも注意を払いたいところです。なお、日足では一目均衡表の転換線が下落基調を継続しており基準線を上から下抜く動きとなっています。

本日の主な指標

東京時間08:30 (豪)ウェストパック消費者信頼感指数-11月 結果-2.5% 前回1.7%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

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