13年4-6月期決算が予想上振れ、VIP部門の好調持続を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02282 美高梅中国控股有限公司(エムジーエム・チャイナ・ホールディングス) 22.65 HKD
(08/13現在)
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MGMチャイナの2013年4-6月期の純売上高は前年同期比18%増、前四半期比12%増の64億8000万HKドルに達した。ジャンケット(VIP世話人)構成の再編などが寄与し、市場コンセンサス予想を7.5%、BOCI予想を9.8%上振れた。BOCIは今後もカジノテーブル単位のイールドマネジメントの強化が利益成長を支えるとの見方。業界平均を上回るVIP収入の伸びや一般客収入の堅調持続を見込み、13-14年の収益見通しを上方修正した。またこの先、マカオの人気エリア「コタイ」の新規カジノリゾート開発が進む見通しに言及し、目標株価を上方修正。同社株価に対する従来の中立見通しを強気に引き上げている。

4-6月期のカジノ収入の伸びは、主に戦略見直しに伴うVIP部門の好調が背景。一般客部門もハイエンド客向け業務の伸びを受けて堅調だった。ブランディング費用を除く調整後EBITDAは前年同期比10%増、前四半期比13%増の15億7000万HKドル。BOCIはカジノ市場の閑散期に当たる7-9月期の収益が前期を下回る可能性を指摘しながらも、10-12月期の好調を見込んでいる。

MGMチャイナに対する強気見通しの理由の一つはVIP部門の高イールド(高収益率)。BOCIは能力主義のジャンケット編成や、高効率のコミッション・システムを高く評価。ローリングチップの緩やかな伸びが続くとみて、VIP部門の健全な成長を予想している。また、カジノ施設を1つしか持たない同社はテーブルごとのイールドマネジメントに照準を合わせており、BOCIはこの点で同業他社より優位にあると指摘。今後も引き続き、業界平均を上回るVIP収入の伸びを支えるとみている。

一方、BOCIによると、一般客部門の収入伸び率は13年に前年比18%増と、業界平均の24%増を下回る見込み。ただ、ディーラーの入れ替えや最低掛け金の調整といった有効なテーブル再配置を通じ施設規模が限られる中で成長を持続する見通し。また、9月に施設の一部改装を行い、中国本土が長期休暇に入る10月の収益増につなげる方針。

同社の配当性向は12年に特別配当込みで85%に達したが、BOCIによると、13年も特別配当を継続する可能性が高く、配当性向は60%となる見込み(うち25%は特別配当)。16年に設備投資の増大が予想されるため、14-15年には45%、35%に低下する見通しという。なお、コタイ地区の新たなリゾート施設は16年に完成する予定。

BOCIは13-14年の予想売上高を250億HKドル(増額修正幅3.7%)、286億HKドル(同6.6%)とし、予想調整後EBITDAを64億HKドル(同3.0%)、75億HKドル(同7.8%)に設定した。予想純利益は51億HKドル(同3.8%)、61億HKドル(同9.7%)。12年の税調整額戻し入れを除外した場合、13年には前年比23.2%の利益成長を達成するとみている。