12年本決算は7%増益、海外事業の2桁増益が寄与

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00006 電能実業(パワー・アセッツ・ホールディングス) 70.70 HKD
(03/07現在)
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電能実業の2012年12月本決算は純利益が前年比7.2%増の97億HKドルに達し、市場コンセンサス予想およびBOCI予想をそれぞれ1%、3%上振れた。送電およびガス供給を主体とする投資戦略が奏功し、海外事業部門が12%の増益を達成したことが寄与した。負債比率が同業銘柄より低い同社は新規プロジェクトへの投資において有利な立場にあり、配当性向も安定的。BOCIは地元香港での電気料金動向や設備投資に対して引き続き慎重見通しを示す半面、今後も海外資産が安定的なキャッシュフローを支えるとみている。また、財務・運営両面で同業銘柄に比べた優位を指摘し、同社を香港公共株のトップピックとした。2013年予想PER16.1倍、予想PBR2.4倍をあてはめた上で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して中立的な見方を継続している。

12年通期の売上高は前年比2.1%増の104億HKドル。香港部門の利益は2%増の46億HKドルで、利益構成比は47%だった。同社は燃費効率の向上や排気抑制に向け、香港にガスタービン複合発電施設を設置する方向で検討中。また、ラマ島南西部でのオフショア風力発電施設の建設を準備している。

海外部門の通期利益は前年比12%増の51億HKドル。主に英国の投資事業が貢献した(英国事業の利益は18%増の42億HKドル)。オーストラリア事業の利益は前年の8億4300万HKドルから8億4800万HKドルへ微増。気候面での不利や経済環境の不透明感にもかかわらず、小幅の利益成長を確保した。一方、中国本土、カナダ、タイ、ニュージーランド事業の業績は前年を下回る水準だった。

なお、BOCIは潜在的なリスク要因として、「管理スキーム」(SOC:香港政府管轄下の公共事業規定)に基づいて運営されている香港発電部門の電気料金動向を挙げた。料金設定において市民の反応が影響する可能性に言及している。