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PERの実践的な活用方法を考える(その2)
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

PERの実践的な活用方法を考える(その2)

2014/5/15
株式投資の経験がある個人投資家なら、「PER」はよくご存じの方も多いかと思います。しかし、このPER、いざ実践で使ってみると、思いのほかうまくいかないのも事実です。
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どのような銘柄がPERによる分析に向いているか

今回は前回の続きとして、PERの活用法についてより各論的な話をしたいと思います。

全ての銘柄に画一的にPERという指標を当てはめて株価の高安を判断すべきではない、という点は前回のコラムにて説明したとおりです。

では、どのような銘柄であればPERによる分析に向いているかといえば、一言でいえば「利益が毎年安定している銘柄」です。

筆者の経験上、利益成長はあまり見込まれないものの毎年安定した利益を計上している銘柄の適正PERは約10倍です。

したがって、こうした銘柄のPERが例えば5倍まで低下したならば、株価はかなり割安な水準にあると判断できます。もしPER5倍の水準で新規買いしたとして、適正水準のPER10倍まで株価が戻れば株価は2倍になりますし、相場環境が良好なためにPER15倍まで買い進まれれば株価は3倍になります。

逆に、こうした銘柄のPERが15倍、20倍にまで上昇してきたなら、新規買いは慎重にならなければなりません。

PERによる分析が不向きな株(1)景気敏感株

PERによる投資判断が向いていない銘柄も数多くあります。その1つがいわゆる「景気敏感株」と呼ばれる銘柄です。

景気敏感株とは、鉄鋼株、化学株、海運株など景気の動向に業績が大きく左右される銘柄のことをいいます。これ以外にも、不動産株は不動産市況に、証券株は株式市場の動きに業績が大きく左右されますから、景気敏感株と同じように考えてよいでしょう。

こうした銘柄は、業績の最悪期を脱すると株価は底打ちして反転上昇し、業績のピークに達すると株価は天井を打って下落する、というサイクルを繰り返します。したがって、株価のトレンドを見ていれば、株価の底値圏で買い、天井圏で売るという戦略を取ることができます。

しかし、PERでみると、最悪期を脱するころは、まだ業績が良くないのでPERはかなり高い水準にあります。銘柄によっては大赤字である場合も珍しくありません。PERでみると「とても割高で買えない」となってしまうのですが、実はそこが買い時なのです。

逆に、業績のピークをつけるころは、足元の業績は確かに良いものの、株価が景気後退による業績のピークアウトをすでに織り込み始めているため、PERはかなり低い水準となります。5倍~10倍程度にまで下がることも珍しくありません。このときPERの表面的な数字だけをみると「非常に割安」と判断しがちですが、実はそこで買うのは高値掴みになりかねないのです。

したがって、景気敏感株の投資判断をPERで行うのは賢明ではありません。強いていえば、PERが高いときに買い、PERが低くなったら売るのが対処法です。

PERによる分析が不向きな株(2)成長株

同様に、将来の業績の高成長が期待できるいわゆる「成長株(グロース株)」も、単純なPERの高低だけでは判断できないという面があるため、PERによる投資判断は不向きです。

例えばある成長株のPERが60倍であるとしましょう。単にPERだけ見ると明らかに割高です。でも、市場参加者の多くが、3年後の利益が今の3倍になると予想していたなら、3年後にはPERが20倍にまで低下する計算です。このように、高成長株の株価は何年か先の利益水準を織り込んでいるため、PERも高くなるのです。

仮に、この株の株価が大きく下落し、PERが20倍にまで低下したとします。もし、この株が3年後に利益を今の3倍に伸ばせるとしたなら、3年後のPERは約7倍に低下する計算となります。

しかし、高成長が期待される銘柄のPERが7倍にまで低下するというのはまず考えられません。

このような時は、将来の高成長が当初思ったほど見込めなさそうだと市場参加者が判断した結果、株価の大きな下落につながったとみるべきでしょう。

成長株は「将来も高い成長が続く」という期待で買われているわけですから、業績予想が変わらずに株価のみが下落することでPERが下がってきた場合、成長率鈍化による株価の大きな下落に大いに用心しなければなりません。

成長株はPERが高いのが当たり前、PERが低下してきたら成長鈍化懸念による株価の大幅な下落に要注意です。

赤字でPERが計算できない場合は?

実践でよく遭遇するのが、当期の予想1株当たり純利益が赤字のため、PERの計算自体ができない、というケースです。そんなときは、「株価の動き」を重視するようにしましょう。

例えば、足元の業績が大赤字の景気敏感株の株価が底打ちし、上昇トレンドに転じてきたならば、将来の業績回復を株価が織り込み始めている可能性がありますので新規買いをすべき局面です。

また、将来の業績の成長が大いに期待できるものの足元は赤字を計上しているという場合も、株価が上昇トレンドに転じた局面が新規買いのタイミングとなります。

こうした銘柄は、黒字化を待っていると株価がどんどん上昇を続けてしまい、大きな利益を得るチャンスをみすみす逃してしまうことにもつながりかねません。

そもそも景気敏感株や成長株のPERはあまり当てにならないのですが、赤字の場合はPERが計算できないので、なおさら株価のトレンドを重視して売買をしていくのが良いと思います。

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