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≪事例研究・号外編≫筆者はなぜ日本写真印刷株を安く買えたのか~投資手法大公開
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

≪事例研究・号外編≫筆者はなぜ日本写真印刷株を安く買えたのか~投資手法大公開

2013/3/7
前回のコラムでは、四半期決算では「累計額」ではなく「四半期ごとの数字」が重要であることをお話ししました。
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ファンダメンタルからみれば業績回復をもって「買い」だが…

前回のコラム(事例研究編)では、日本写真印刷株(7915)の業績の改善が第3四半期から顕著に現れていたことを発見するために、四半期決算短信が大いに有効であること、そして四半期毎の業績の見方についてご紹介しました。

ところで、第3四半期決算発表で業績の改善が明らかになったことが分かったわけですから、ファンダメンタルの面からいえばこの時点で日本写真印刷株は「買い」となるわけです。

もし、これを受けて第3四半期決算発表後すぐ、具体的には2月12日の寄り付きで日本写真印刷株を買ったとしたら、買値は1,704円となります。

でも、日本写真印刷株の株価チャートを見てみると、株価はすでにかなり上昇していることが分かります。昨年(2012年)11月につけた安値551円からは、すでに3倍以上の株価になっています。

日本写真印刷(7915)の日足チャート

業績回復が明確になる前に株価のトレンドはすでに転換している!

実は、このように決算発表により業績の回復が鮮明になってから買おうとすると、すでに株価は大きく上昇してしまっていることがよくあります。なぜなら、決算発表より前に、すでに業績が底打ちしたことに気づいた投資家が株を買い始めているからです。

第2四半期決算発表前後の日本写真印刷株の値動きを振り返ってみることにしましょう。

日本写真印刷株は、第2四半期決算発表を受けた11月12日には、取引開始後こそ赤字決算を嫌気して551円まで値下りしたものの、そこから急速に切り返して終値629円と急上昇、25日移動平均線の上に株価の頭が出ました。ここで筆者は赤字決算という悪材料を織り込み、今後の業績が回復する可能性を感じました。

翌13日にはさらに大きく上昇して上昇トレンドへの転換の可能性がより高まり、テクニカル面からみた新規買いの格好のタイミングとなりました。12日~14日あたりなら、600円台の株価で買うことが十分可能でした。筆者もこのタイミングで新規買いをしました。

ファンダメンタルだけでは11月には買えなかった?

では、11月9日の第2四半期決算発表時点で日本写真印刷株の業績が底打ちしたことを判断することができたか、改めて検討してみます(前回コラムもご参照ください)。

第2四半期の実績をみると、1四半期と同程度の赤字を計上していることが分かります。売上高が増加し、赤字幅もやや縮小していることから、「業績の下げ止まりの兆しはみえつつある」と言えなくはありませんが、20億円以上の赤字が続いており、「明確な業績回復」とは到底いえない状況でした。

ファンダメンタル分析では、業績の悪い会社の株を、業績が悪いことが分かっていながら買うことはしないでしょうから、ファンダメンタル分析だけで投資判断するとなると、この時点(11月9日時点)で日本写真印刷株を投資対象とするのは難しい、という結論になります。

でも株価は11月12日を底に、急上昇していることが分かります。実は、この時にどのような行動を起こすかが、株式投資の成果を大きく左右するのです。

筆者はなぜ株価が安いうちに買うことができたのか?

筆者は、買い時・売り時を探る際には株価チャートをかなり重視します。気になっている銘柄につき、ファンダメンタルの面からみればまだ不安要素が残っている場合でも、株価が上昇トレンドに転換したらとりあえず買ってみることにしています。日本写真印刷株を600円台半ばで買うことができたのも、その戦略に従った結果です。

ファンダメンタルだけでなく、同時に株価の動きもウォッチしていたならば、第2四半期決算発表からは若干ではあるものの業績に下げ止まりの兆しが見える中で、株価が上昇トレンドに転換したタイミングに気づき、「とりあえず買っておこうか」という行動が十分に取りえたのです。

もしファンダメンタル面のみで買い時を探るとしたら、11月12日以降の株価急上昇はファンダメンタルでは説明のつかない上昇となるため、買い見送りとなるでしょう。投資対象となるのは、2月の第3半期決算発表後からです。その場合、最速で2月12日の寄り付きでの買いとなりますが、そこでの買値は1704円です。筆者の買値である600円台半ばと比べるとすでに株価は2倍以上に上昇していることが分かります。

このように、ファンダメンタル分析だけで買い時を判断するのか、株価チャートも合わせて注目しておくのかで、投資成果に大きく差が生じることがお分かり頂けるでしょうか。

株価チャート重視でももちろん可だがファンダメンタルとの併用が実践的

もちろん、買いタイミングの判断として、ファンダメンタルの面は無視して株価チャートだけを判断基準とすることも可能です。ただ、業績の悪化が続いている銘柄の場合は全体相場の上昇につられて一時的に上昇トレンドに転換したとしても、その後再び下降トレンドに戻ってしまうことが珍しくありません。また、財務状態が悪い銘柄の場合は、突然の経営破たんというリスクもあります。

そこで、ファンダメンタルの面から、まず経営破たんのリスクが高いものを避け、そして業績回復が明確化しているまではいかないものの回復の兆しが見えている銘柄に注目し、その銘柄が上昇トレンドに転換したら新規買いをするようにすれば、ファンダメンタルだけで判断するよりはるかに低い価格で買うことができます。その上で、ファンダメンタルの好転が確認できた時点で必要に応じて追加買いする、というのがより実践的な戦略です。

ファンダメンタルに不安な要素があったとしても、株価が上昇トレンドに転換したらまずは買ってみる…これが上昇初期に安く買うための秘訣です。

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