「まさか」の時の投資行動いかんで投資成果に大きく差がつく

 相場には「まさか」がつきもの。今回の「コロナ・ショック」のような思わぬ急落局面は、株式投資を続けていれば何度も遭遇します。「まさか」に備えて適切な投資行動を取れるかどうかで、運用成果に大きく差がつきます。

 そこで今回と次回の2回に分けて、株価急落局面でとるべき投資行動について筆者の考えるポイントをご説明したいと思います。今回は「損切り」と「利食い売り」についてです。

急落から身を守ることができるのは「損切り」だけ

 何といっても急落局面では素早い損切りができるかどうかが勝負の分かれ目です。損切りさえ適切に行っていれば損失を最小限にとどめることができます。その後いくら株価が下がろうとも損失が拡大することはありませんし、株価下落がおさまった後で安く買いなおすことも可能です。

 特に新興市場銘柄など値動きの激しいものは、損切りをすべきタイミングで損切りを少しでもためらうと、そこからさらに30%、50%とものすごいスピードで急落し、最後には手も足も出なくなってしまいます。

 相場は意地悪です。ひとたび株価が急落してしまうと、高値で買いつけた投資家を助けてくれるような株価の戻りはまず期待できません。高値で買った投資家が投げ売りしてはじめて反発が始まるのです。

 それならば、早めに損切りしておいて、株価が十分下がったところで買い直した方がよいのは言うまでもありません。
 筆者は25日移動平均線割れを損切り価格として設定します。もし、最高値付近で買った場合など25日移動平均線まで距離があるときは、5日移動平均線割れを損切り価格とすることもあります。直近安値割れや買値から10%下落した水準を損切りラインとしてもよいでしょう。