コロナ・ショック後活気に溢れる新興市場

 マザーズ、ジャスダックといった新興市場が2~3月のコロナ・ショック後活気に満ち溢れています。新興市場銘柄の中には、短期間で3倍、5倍に急上昇するものも目立ちます。

 短期間での大きな利益も大いに期待できる新興市場銘柄ですが、気をつけておかなければいけない点も多くあります。今回は、大失敗につながりかねないという観点から、筆者が特に注意している点を3点ご紹介します。

注意点1.値動きの激しさゆえの損切りの重要性

 新興市場の銘柄は発行済株式数が少なく流動性も低いため、良くも悪くも値動きが大きいのが特徴です。上昇相場に上手く乗ることができれば短期間で大きな利益を得られる半面、高値掴みをした銘柄をそのまま放置すると、あっという間に株価が買値の2分の1、3分の1へと大きく下落してしまいます。買うタイミングによっては、買値から10分の1以下への暴落さえあることも。

 筆者は常々損切りの重要性を強調していますが、特に新興市場銘柄については、大失敗を避けるためには損切りは必須です。損切りに自信がない方は、株価が短期間に何倍にも上昇した銘柄への新規投資は控えたり、新興市場銘柄自体を避けて東証1部の値動きの小さい銘柄(大型株)を投資対象とするのが望ましいと思います。

注意点2.「売りたくても売れないリスク」売買高(流動性)に要注意

 新興市場銘柄は企業規模が小さく、発行済株式の多くをオーナーやその関係者が保有していることも多いため、流動性が低く、売買高が少ない銘柄が多く見受けられます。

 株価が上昇局面にあり、売買が活発に行われているときは、普段は少ない売買高が膨れ上がっていることが多いため、特に注意が必要です。

 新興市場銘柄は、値動きが非常に大きく、展開によっては持ち株を一度に全て処分して売り逃げなければならない局面もあります。そんなとき流動性が低いと、売ろうにも売れないという事態が十分起こりえます。売るべき局面で売ることができなければ、損失が膨らんでしまうことにもなりかねません。これは非常に重大なリスクとなります。

 筆者は、この「売りたくても売れないリスク」を避けるため、自身が売買する株数の100倍の売買高がコンスタントにあるような銘柄をできる限り選ぶようにしています。

 できれば、投資対象の銘柄の過去の売買高をチェックし、売買高が少ないときでも自身の持ち株を一度に売り切ることができるかどうか、確認しておくことをお勧めします。