誰もが経験する「上昇相場への乗り遅れ」

 気がついたら上昇相場が始まっていてすっかり乗り遅れてしまった、というケースは、株式投資をしていれば必ずといってよいほど経験するものです。

 では、上昇相場に乗り遅れた、と思った場合、どのような投資行動が考えられるでしょうか。大きく分けると以下の4つに分類できます。

(1) 上昇中の銘柄に飛び乗る

(2) 上昇中の銘柄の押し目買い

(3) 出遅れ銘柄を探して本格上昇する前に先回り買い

(4) 新規買いはしない

上昇中の銘柄を買うことのメリットとリスクは?

(1)上昇中の銘柄に飛び乗る

 これは、上昇相場の中心的存在である「旬」の銘柄の勢いについていこうという戦略です。現在であれば、軒並み大きく上昇している新興市場銘柄への上昇途中の買いなどが該当します。
 その銘柄の勢いが強ければ、買った途端に含み益が増えていき、短期間で大きな利益を得ることも可能です。
 ただし、その飛び乗りが上昇相場の末期であったような場合、高値掴みになってしまう危険があることは注意が必要です。買値から10%下落したら損切りする、などの対処で塩漬け株をつくらないようにすることが重要です。

(2)上昇中の銘柄の押し目買い

 これは、売買対象とする銘柄は(1)と同様ですが、上昇途中で飛び乗るのではなく、押し目(上昇途中の一時的な株価調整)を待って、できるだけ安く買おうという戦略です。
 この方法だと、高値掴みのリスクを多少は減らせますし、(1)の方法では損切りの対象になってしまうような大きめな調整があっても、その調整が済んでから買えばよいため、余計な損切りをしなくて済みます。また、直近の押し目底を損切りラインとするなどとすれば、損切り価格を設定しやすい、というメリットがあります。さらに、押し目底の近くで押し目買いをするわけですから、損切りとなった場合の実現損も比較的小さく抑えられます。
 ただ、株価上昇の勢いが強いと、押し目を待ってもいつまでも押し目が来なく、結局買えずじまい……ということもあり得ます。