NISAで高配当株投資がうまくいかない理由2:高配当銘柄の選び方を間違えている

 魅力的な高配当株とはなんでしょうか? それは株価が長期的に上昇しつつも、高い配当利回りを維持できている銘柄だと私は考えています。配当利回りは以下の計算式で算出されています。

 配当利回り(%)=(1株当たりの年間(予想)配当金÷株価)×100

 株価が上昇すれば配当利回りは下落し、株価が下落すれば配当利回りは上昇します。つまり、株価の上昇によって下落した配当利回りを維持するためには配当金を増やす必要があり、配当金がそのままでも株価が下落すれば配当利回りは上昇することを意味しています。

 しかし、高配当銘柄といわれる銘柄であっても配当利回りは3~5%程度ですので、ほとんどの銘柄で年間の株価変動率の方が配当利回りより大きくなります。そして配当利回りが極端に高いというのは株価の下落が理由であることがよくあります。 

 個人投資家は「利回り」という言葉に惑わされがちですが、大切なのは配当利回りと株式売買益をあわせたトータルの収支です。そのためにも、ただ業績が安定している企業や昔からある大企業というだけではなく、少しでも業績が上昇している企業や今後利益の上昇が見込める業界などから高配当銘柄を選ぶようにしましょう。

NISAで高配当株投資がうまくいかない理由3:株価の値動きに一喜一憂してしまう

 株式投資のやり方は人それぞれで、長期投資をする人もいれば短期的な投資を繰り返す人もいます。あまりにも短期的な投資は投機のようになるのでおすすめはできませんが、1年間の間で起きるイベントや相場変動をうまく捉えて利益を継続的に出している人もいるのは確かです。

 では、高配当株投資はどの程度の期間的な目線で投資をするべきなのでしょうか? 私は長期的な目線で考えるべきだと思います。配当金は国内株であれば年1~2回、米国株なら年4回程度の銘柄が一般的です。もちろん、配当がもらえる権利落ち日の翌日には配当予想分の株価が下落することはよくあります。

 短期的な投資では、高配当株の高い配当という魅力を目的とした投資にはなりません。結果的に短期投資になることはあっても、投資する時には少なくとも3~5年程度の投資であると考えて銘柄を選び、日々の株価に一喜一憂しないようにすることが大切です。

 配当が欲しいから権利落ち前に株式を購入するのではなく、魅力的と思える高配当株を見つけたら、そこからどの程度の金額をどのくらいの期間を使って株式を購入するのかを考えてみましょう。リスクの高い、値動きの大きい投資先ほど一括購入でなくて買い付け時期をある程度分散することが高値づかみをして失敗しないためにも有効です。

「NISAで高配当株投資」の銘柄選びは慎重に

高配当株投資はローリスクではないが魅力的な投資

 高配当株投資は国内株でも海外株でも根強い人気があります。ネット証券の保有残高をみると国内株の方が成長性よりも配当が高い銘柄が選ばれている傾向になり、米国株などは高配当株よりも成長性や自社株買いで株価の上昇を重視している企業の銘柄が選ばれているようです。

 投資信託では米国株の高配当株を対象として新規設定銘柄も出てきて残高を増やしており、やはり高い人気であると見て取れます。米国株には過去何十年も継続して高い配当を出している銘柄も少なくないため、今後はますます人気が出てくるでしょう。

 ただし、株式投資なので個別株ならリスクは高いと言えますし、投資信託で数十銘柄に分散投資されているとしてもリスクはそれなりにあることは、高配当株を対象とした株式指数の過去の値動きからも分かるはずです。

 高配当株投資はローリスクとはいえませんが、魅力的な投資であることに違いありません。自分の投資目的の許容できるリスクを理解した上で検討してみましょう。

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