今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは150.75

下値メドは148.35 

iPhone:部品の90%は中国製。全て米国で組み立てると価格は5,000ドル(78万円)になる  
米大統領選:勝負は9月から始まる。全米有権者の1/3が期日前投票  
インフレ基準:消費者は、食料品のような、購入頻度が高く狭い範囲の価格でインフレを判断する
FRB:シカゴ連銀総裁「インフレが2%に下がるまで利下げを待つ必要はない」
AI相場:AI取引の次の主役は再生可能エネルギー

前日の市況

 8月29日(木曜)のドル/円相場は、前日比0.39円の「円安」。

 ジャクソンホール会議でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が9月会合の利下げを明言したことを受けて、先週末から週明けにかけて全般的なドル売りが強まった。

 ところが、米国の第2四半期GDP(国内総生産:改定値)が予想を超える強さだったことで、「利下げ&ドル安」を織り込み過ぎているのではないかという警戒感が出始めている。たとえ利下げが確実だとしても、 そのスピードと規模(利下げ幅)は、来月のFOMC(米連邦公開市場委員会)前に発表される米雇用統計やCPI(消費者物価指数)の結果次第で大きく変わる可能性がある。この日は「行き過ぎた期待感」の修正でドル/円は145円台に上昇した。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年174営業日目は144.47円からスタート。東京時間朝につけた144.22円がこの日の安値で、下げは浅く、前日の安値(143.67円)に接近することもなかった。

 米国の4-6月(第2四半期)の米GDP改定値は、堅調な消費支出を背景に前期比+3.0%に上昇修正された。「緊急利下げが必要」から「利下げは急ぐ必要ない」へとマーケットの雰囲気が変わるなかでドルが買われ、夜遅くには前日の高値(145.02円)を超えて145.55円まで上昇して、今週の高値をつけた。終値は144.99円。24時間のレンジ幅は1.33円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 来週はFRB(米連邦準備制度理事会)以上に、ECB(欧州中央銀行)に注目が集まりそうだ。
1週間前の8月23日に対ドルで1年1カ月ぶりの高値となる1.12ドル台まで上昇したユーロ/ドルだが、サポートとされた1.11ドルを下抜けして、1.10ドル台半ばまで大きく下落している。このユーロ安のきっかけは、ドイツの8月CPIが前月比マイナス0.1%に下がったことだ。

 FRBは、GDPが堅調でも、それを持続させようと先回りして利下げしようとしている。一方ECBは、ドイツの第2四半期GDPが前期比-0.1%に縮小して、インフレも下がっているのに、まだ利下げに慎重だ。FRBとECBの政策スタンスの違いと金利差縮小のどちらをマーケットが重視するかで、ユーロの方向が決まるだろう。

個人投資家 最新売買動向:

 下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。

ユーロ/円:

出所:楽天証券作成

 8月30日時点のユーロ/円のオープン(未決済)ポジションは、ショート56%に対して、ロングは44%。

 依然として「ユーロ売り持ち」が多い状況になっている。1週間前の8月22日と比べると、その間にジャクソンホール会議という大イベントが挟まっていたにもかかわらず、ポジション比率は、全く変わっていない。

 オーダー状況は、売りオーダー44%に対して、買いオーダーは56%で、買い興味が強い。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成