恐怖にあおられず方針とテーマを一致させる

 金(ゴールド)の長期投資の際は、恐怖をあおる「有事ムード」と距離を置くことが重要です。注目すべきは、金(ゴールド)の「本性」に関わるテーマである「中央銀行」と「見えないジレンマ」がもたらす上昇圧力がどれだけ長続きするかです。

 一方、短期売買であれば、有事ムード、代替資産、代替通貨に注目するべきでしょう。短期売買に中央銀行や見えないジレンマは必要ありません。つまり、金(ゴールド)への投資の際は、投資方針とテーマを一致させることが重要なのです。

 恐怖にあおられたから、分かりやすいから、有名人が言っているから、みんながやっているから、過去にそうだったから、といった「快適ゾーン」「恐怖ゾーン」的な発想ではなく、ご自身が金(ゴールド)をどう使いたいか、という問いへの答えを明確にすることが重要です。そうすれば、おのずと取引手法とそれに対応する注目テーマが決まってくるはずです。

 こうした問いを立ててその答えを考える作業もまた、「学習ゾーン」に入るために欠かせない過程です。金(ゴールド)の「魔性」の側面だけを見るのか、それとも視野を拡大させて「本性」の部分までをも把握するのかは、大きな違いです。

 金(ゴールド)を正しい意味で長期投資の手段に据え置くためにも、われわれ市場関係者(情報の発信者・受け手)は考え方を変化させなければなりません。

 金(ゴールド)は大変に面白い、壮大で奥深い投資対象です。それをみすみす「恐怖の媒介者」「恐怖の吹きだまり」とみなすことのないよう、留意しなければなりません。(もちろん、筆者も含めてです)

図:NISAで投資できる金(ゴールド)関連商品分類

出所:筆者作成

[参考]積み立てができる貴金属関連の投資商品

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