欧米株価指数は悲観論を反映しやすくなった

 以下は2000年以降の、米国の主要株価指数の一つである「S&P500種指数」、そしてドイツの主要株価指数の一つである「DAX」における、その年の最大上昇率と最大下落率(日次終値ベース)です。日経平均と同様、2008年のリーマンショックの直後にその年の最大上昇率と下落率を記録しました。

 この年の最大上昇率はS&P500が11.5%、DAXが11.4%と10%を超えました(日経平均と同様)。また、この年の最大下落率はS&P500が9.0%、DAXが7.1%となりました。2008年のDAXの最大下落率がS&P500よりも小さかったのは、リーマンショックの影響が間接的だったことが一因だと、考えられます。

図:S&P500の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)

出所:ブルームバーグなどのデータをもとに筆者作成

図:DAX(ドイツ)の年間最大上昇率および下落率(日次終値ベース)

出所:ブルームバーグなどのデータをもとに筆者作成

 リーマンショックが発生した2008年と、コロナショックが発生した2020年を比較すると、最大上昇率がS&P500(11.5%→9.3%)、DAX(11.4%→10.9%)と、ともに、低下しました。そして、最大下落率がS&P500(9.0%→11.9%)、DAX(7.1%→12.2%)と、上昇しました。

 最大上昇率の低下は楽観的になりにくくなっていることを、最大下落率の上昇は悲観的になりやすくなっていることを示唆します。リーマンショック後、欧米の株式市場においては、欧米の株式市場は悲観的な要素を取り入れやすくなったと考えられます。