REITには、さまざまな種類がある。代表銘柄を紹介

 REITには、さまざまな種類があります。もともとは、オフィスビルや住宅・マンションに投資するファンドがほとんどでしたが、近年は、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。純粋な不動産投資と言えないものも増えています。代表的な銘柄は、以下です。

J-REIT、投資の参考銘柄:2024年8月6日時点

コード 銘柄名 主な
投資対象
分配金
利回り
(年率:
会社予想)
最低投資額
(円)
8951 日本ビルファンド投資法人 オフィスビル 4.3% 580,000
8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 オフィスビル 4.7% 515,000
3234 森ヒルズリート投資法人 オフィスビル 5.3% 124,700
3269 アドバンス・レジデンス投資法人 住宅・マンション 3.7% 318,000
3281 GLP投資法人 物流施設 4.8% 130,200
3283 日本プロロジスリート投資法人 物流施設 4.1% 248,400
3292 イオンリート投資法人 商業施設 5.2% 127,400
出所:分配金利回りは8月6日時点の1口当たり分配金(会社予想)を同日のREIT価格で割り、年率換算して計算

 上記に挙げたように、REITには、いろいろな種類があります。オフィス、レジデンシャル(住居)、物流、リテール(商業施設)、インフラ、ホテルなどに投資するものがあります。

 J-REITに投資したいと思うものの、どの銘柄を選んでよいか分からない方は、最初は、投資信託で「東証REIT指数インデックスファンド」に投資したらよいと思います。小口資金で、さまざまなREITに分散投資することができます。東証REIT市場全体の平均値に投資できます。

J-REITの市場概況:2020年以降は下降

 J-REITの銘柄数は8月6日時点で58銘柄です。時価総額は合計約14.5兆円です。

 J-REITの市場全体の動きを表す指数として、東証REIT指数と配当込み東証REIT指数があります。2010年1月末を100とした指数に作り替えて2010年以降の動きを比較した以下のグラフをご覧ください。

東証REIT指数と、配当込み東証REIT指数の月次推移:2010年1月~2024年8月(6日)

出所:2010年1月末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

【1】配当込み東証REIT指数

 東証REIT市場全体に分散投資した場合の、トータルリターン(受け取った配当金+価格変動)を示しているのが、配当込み東証REIT指数の動きです。2010年1月に100投資したら、2024年8月6日に337(3.37倍)になっています。

 ただし、2020年1月以降を見ると、やや下がっています。コロナショックの急落をかなり取り返していますが、4年半近くリターンが出ていません。長期金利の上昇が嫌気されています。

【2】東証REIT指数

 東証REIT市場全体に分散投資した場合の、価格変動だけを表しているのが東証REIT指数の動きです。受け取った分配金は、リターンに含まれていません。

 2020年1月以降は下落トレンドが続いてきました。分配金を受け取っても、その分、値下がりによってトータルリターンが出ていない状況です。

平均分配金利回りが4.9%まで上昇

 東証REITの平均分配金利回りは、8月6日時点で4.9%まで上昇しました。2021年8月には3.3%まで低下していましたが、その後J-REITの価格下落が続いたため、利回りは4.9%まで上昇しました。

配当込み東証REIT指数と平均分配金利回りの推移:2019年末~2024年8月6日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 J-REIT全体の平均利回りは、4%が妥当と私は判断しています。利回りが4%を下回っている時、J-REITは「割高」、4%を上回っている時は「割安」と私は判断します。現在、4.9%まで利回りが上がっており、「割安」と判断しています。

 念のため、4%が妥当と私が考えているのは、J-REIT全体の平均利回りです。個々の銘柄は、それぞれ投資対象の違いにより、妥当と考える利回りが異なります。

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