今週の重大イベント:日米の金融政策発表へ

 今週は、日米それぞれの金融政策発表があります。その内容次第では、日経平均株価(225種)が大きく動くきっかけとなる可能性もあります。6月12日(日本時間では13日未明)にFOMC(米連邦公開市場委員会)、14日(金)昼ごろに日本銀行金融政策決定会合の結果発表があります。

 日米ともに重要な政策変更はないと考えられますが、先行きの金融政策についてどのような示唆があるかが重要です。注目ポイントは二つ。

【1】株式市場は9月にも米利下げが始まることを期待していますが、その期待に対して、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)がFOMCでどういうメッセージを出すかが注目点です。

【2】日銀については、7月にも利上げがあるか注目されています。今回の6月会合では先行きについて、どれくらいタカ派トーンの話が出るかが、注目点です。

 日米ともタカ派トーンならば株式市場にマイナス影響が及ぶ可能性があります。日米ともハト派トーンならば、プラス影響になる可能性があります。日米の金融政策発表後に、どういう反応があるか注目されます。

日本株を動かす外国人の先物売買

 本欄で繰り返しお伝えしている通り、日本株を動かしているのは外国人投資家です。外国人が買い越す月は日経平均が上昇し、外国人が売り越す月は日経平均が下落する傾向が30年以上、続いています。

日経平均と外国人の売買動向(買い越しまたは売り越し額、株式現物と先物の合計):2022年1月4日~2024年6月10日(外国人売買動向は2024年5月31日まで)

出所:東京証券取引所データ、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 2022年は、日経平均は狭いレンジのボックス圏で推移していました。外国人投資家の売買動向が定まらず、買ったり売ったりを繰り返していたからです。2023年に入ると、ボックスを上放れして、大きく上昇しました。2024年も年初からさらに上昇しました。外国人投資家の買いが上昇をけん引しました。

 中でも、外国人投機筋による株価指数先物(日経平均先物・TOPIX[東証株価指数]先物など)の売買は大きな影響力を持っています。過去の急落急騰は、ほとんど外国人の先物売買で演出されてきました。

 その動きをくっきりと表しているのが、裁定買い残高の変化です。詳しく説明すると難解になるので、説明は割愛して結論だけ述べます。

 東京証券取引所が発表している「裁定買い残」の変化に、投機筋(主に外国人)の日経平均先物「買い建て」の変化が表れます。外国人の先物買い建てが増えると裁定買い残が増え、買い建てが減ると裁定買い残が減ります。