はじめ低迷・あと上昇はプラチナで可能
なぜ「低迷パターン」が、暴騰パターンと暴落パターンを圧倒できたのでしょうか。それは、この取引が「積み立て」だからです。多くの場合、収益の大まかな計算は「保有数量×価格」で行います。
下の図は、暴騰パターン、暴落パターン、低迷パターンの累積保有数量の推移です。最終的な保有数量は、暴騰パターンが421グラム(貴金属の積み立てを想定しているため、数量の単位はグラム)、暴落パターンが983グラム、低迷パターンが5,262グラムでした。低迷パターンは、暴騰パターンの13倍、暴落パターンの5倍になりました。
図:積み立てシミュレーション(3パターンの累積保有数量) 単位:グラム
低迷パターンは、取引開始から40年間続いた長期的な価格低迷を利用し、効率的に累積保有数量を増やしました。月々の投資額が変わらない場合、価格上昇は購入数量の減少、価格下落は購入数量の増加を意味します。
「月々の購入数量」では一時、低迷パターンと暴騰パターンの間で15倍もの差が生じました。(低迷パターンがひと月で9.835グラム購入できたのに対し、暴騰パターンが0.6556グラムしか購入できなかった月があった)。
最終的に、暴騰パターンのおよそ12倍、暴落パターンのおよそ5倍に積み上がった保有数量が決め手となり、低迷パターンは資産の額で他を圧倒しました。このシミュレーションは、積立投資では「価格低迷が月々の購入数量をいかに増やしてくれるか」を改めて教えてくれています。
本レポートで述べたシミュレーションを基に考えれば、積立投資に適した銘柄の特徴は、「そもそも低迷していること」だと言えます。積立投資であれば、目の前で起きている低迷は保有数量を普段以上に増やす、利用すべき好機だと筆者は考えています。
ただし、留意点があります。低迷時に効率よく増やした数量を利益に変えるためには、価格上昇が必要です。これらをまとめると、積立投資に適した銘柄の特徴は、「そもそも低迷していること」そして「数十年後に価格上昇が起き得ること」だと言えます。
「プラチナ」は足元、長期視点で低迷状態にあります(そもそも低迷に合致)。そして、超長期視点で、自動車排ガス浄化装置向け需要が増加したり、水素社会で新しい需要が増えたり、西側と非西側の分断起因で供給が減少したりする可能性があります(数十年後に価格上昇が起き得る)。
今はまだダメかもしれませんが、筆者は長期視点のプラチナ価格の反発に期待をしています。積立投資を効率化する条件(そもそも低迷していること、)を満たすプラチナに長期視点の期待を寄せてみては、いかがでしょうか。プラチナだから積立投資をがんばれると、筆者は考えています。
[参考]積み立てできる貴金属関連の投資商品例
純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能。以下はNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)成長投資枠対応)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)
関連ETF(上場投資信託)(NISA成長投資枠対応。かぶツミを利用することで積み立てが可能)
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)