価格下落は月々の購入数量を増やす好機

 以下は暴騰パターンと暴落パターンの月々の購入数量の推移です。暴落パターンは、最後の10年間、価格が上昇したため月々の購入数量は減少しました。それでも、価格が長期で低迷した期間の月々の購入数量は、高止まりしました。

図:積み立てシミュレーション(2パターンの月々の購入数量)単位:グラム

出所:筆者作成

 一方、価格が一度も下落することがなかった暴騰パターンの月々の購入数量は、一度も増加することはありませんでした。月々の投資額は一定であるため、価格上昇が優先されると月々の購入数量は減ります。積立投資においては、「価格高騰は月々の購入数量を減らすこと」でもあるのです。

 さらに言えば、価格が「ゼロ円」に近づけば近づくほど、月々の購入数量は増加しやすくなります。仮に月々の投資額が9,835円(1万円の投資金で購入時の手数料1.65%を考慮)だったとして、価格が8,500円から6,500円に下がると、購入できる月々の数量は0.3グラム増えます。

図:積み立てシミュレーション(価格がゼロ円に接近した場合の月々の購入数量)

出所:筆者作成

 価格が6,500円から4,500円に下がると(同じく2,000円下落)、同0.6グラム増えます。4,500円が2,500円に下がると1.7グラム増、2,500円が500円に下がると15.7グラム増加します。暴落パターンの月々の購入数量が価格急落時に曲線的に増加したのはこのためです。