「暴落」が運用を好転させる場合あり

 以下は、二つのパターンそれぞれの累積資産額の推移です。

図:積み立てシミュレーション(2パターンの累積資産額)単位:100万円

出所:筆者作成

 最終的な累積資産額(保有数量×価格)は、暴騰パターンがおよそ750万円、暴落パターンがおよそ780万円でした。冒頭の問い「暴騰パターンと暴落パターン、50年後にどちらの収益が大きくなるでしょうか」の答えは、暴落パターンでした。

 1万円を600カ月(50年間)、投資し続けるため、投資金の合計は600万円です。このため投資金に対する最終的な資産の額は、暴騰パターンが1.26倍、暴落パターンが1.31倍でした。

 この結果を「大差ない」と考えるか、「暴落が暴騰に勝った」と考えるか、さまざまだと思います。こうした相対的な評価も重要ですが、一度も取引開始時点の価格を上回らなかった暴落パターンで利益が出た、という暴落パターン自体の絶対評価にも注目する必要があります。

 なぜこのような結果が出たのでしょうか。なぜ投資において、価格が下落しても利益が出ることがあるのでしょうか。