ゆっくり利上げで長期金利は2024年末1.0~1.2%、2025年末1.4~1.7%、2026年末1.8~2.0%

 次に、長期金利の先行きを外挿推計するため、説明変数の先行きを想定します。まず、政策金利については、2024年9月に0.25%へ、2025年4月に0.5%へ、2026年4月に0.75%へ利上げすると設定しました。

 景気先行指数と預貸率は最近のトレンドで先行きを延ばし、消費者物価は前年比プラス幅が2025年後半にかけて2%に収束すると想定しました。

 日銀の国債買入額については二つのパターンを設定しました(図表4)。一つは追加利上げを開始する2024年9月から1,000億円ずつゆっくり減額するケース(図中①)、もう一つは3,000億円ペースで減額していき、2025年後半から毎月の買入額を1兆円にするケース(図中②)です。国債保有残高は、それぞれの減額ペースに合わせてと想定しました。

<図表4 日銀の国債買入額と国債保有残高>

(出所)日本銀行、楽天証券経済研究所作成

 以上の前提条件の下で長期金利の先行きを外挿推計した結果が、図表5になります。それを具体的な数値で簡単にまとめると、

 ケース(1)…2024年末1.0%→2025年末1.4%→2026年末1.8%
 ケース(2)…2024年末1.2%→2025年末1.7%→2026年末2.0%

 となり、図表2で想定した見通しとおおむね整合的であることが確認できます。

<図表5 日本の10年金利と政策金利の先行き>

(出所)総務省、内閣府、日本銀行、Bloomberg、楽天証券経済研究所作成