バブル期は日々、美しい連続性を維持

 足元、主要国の株価指数が騰勢を強めています。米国のダウ工業株30種平均やS&P500種指数、ドイツのDAX、フランスのCAC40、オランダのAEX、台湾の加権指数、インドのSENSEXなどです。中でも、日本の日経平均株価は1989年12月29日につけた記録的な高値である3万8,915円87銭(終値ベース)近辺で推移しています。

図:日経平均(1980年1月4日~2024年2月16日まで 終値ベース)単位:円

出所:QUICKのデータをもとに筆者作成

 1989年はバブル経済絶頂期でした。以下は当時の日経平均の推移です。記録的な高値に向けた上昇劇を振り返ることができます。毎営業日の始値と終値を示しており、赤が上昇した日、青が下落した日です。このころの日経平均は、前日の終値と当日の始値の間隔が非常に小さく、日々の値動きに高い連続性があったことが分かります。

図:バブル絶頂期の日経平均(1989年9月19日~12月29日まで 日々の始値と終値)単位:円

出所:QUICKのデータをもとに筆者作成

 日経平均の日々の値動きに高い連続性があったことは、欧米の影響をさほど受けず、ほとんど日本固有の材料で価格が動いていたことを示唆しています。つまり、当時の日経平均は日本の日本による株価指数だったといえます。

 日本固有の材料で凛として動く、先進国日本の世界に誇れる株価指数でした。このころ、日本の企業や政府、金融関係者や投資家などは、自分たちの経済活動が株価を動かしているという感覚の中で、記録的な価格上昇を目の当たりにしていたと思います。