S&P500の高値更新をけん引しているセクターをチェック

 S&P500が19日から連日で最高値を更新して年初来騰落率が+2.1%(24日)となる中、11大業種別株価指数の同騰落率をみると強弱が鮮明となっています(図表3)。

 年初来騰落率で市場平均(S&P500)よりも優勢であるセクター(業種)は「IT(情報技術)」(マイクロソフト、アップル、エヌビディアなどの半導体株を含む)および「コミュニケーションサービス」(アルファベット、メタ・プラットフォームズを含む)となっています。

 特に「IT」の業種別株価指数ベースの予想EPS(1株当たり利益/市場予想平均)は2024年に前年比24.3%増益、2025年は同15.7%増益と好調が見込まれています。なお、11大業種とは別に「SOX」と呼ばれるフィラデルフィア半導体株指数は年初来で7.4%上昇しています。

 半導体業界での「シリコンサイクル」(3~4年ごとの景気変動)に伴う在庫調整が一巡しつつある中、AI向け高機能半導体需要拡大し続けると予想されています。

 SOXベースの業績見通しは、2024年で前年比38.7%増益、2025年は同29.0%増益が見込まれており、同半導体株指数を構成する時価総額上位株のエヌビディア、TSMC、AMD、ブロードコムなどが収益拡大をけん引するとみられています。

 一方、年初来騰落率が低調である3業種は「公益事業」「不動産」「素材」が挙げられます。「エネルギー」は11大業種別株価指数の中で唯一「2024年の減益」が予想されており年初来騰落率は低調です。

 図表3の最下段に示したS&P500ベースの予想EPSは2024年に前年比12.3%増益、2025年に同11.6%が見込まれています。米国株式は2024年も適宜のスピード調整に直面すると想定されますが、上記した中期的な業績見通しへの期待が確信に変わる流れに沿って堅調トレンドをたどると考えています。

<図表3>業種別の年初来騰落率(降順)と業績見通しをチェック

*予想PER(株価収益率)や予想増減益率はBloomberg集計による市場予想平均EPSに基づく
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2024年1月24日)

▼著者おすすめのバックナンバー

2024年1月19日:S&P500の主役に異変?堅調株と急落株のなぜ(香川睦)
2024年1月12日:米国株式の季節性に注意!株価下落は好機か(香川睦)
2024年1月5日:2024年の分散投資はS&P500かオールカントリーか(香川睦)