※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「新NISAでJリート!平均分配金利回り4.5%」
新NISAでJ-REIT
今年始まった新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)「成長投資枠」をどう使うか、いろいろな提案が出ています。「成長投資枠」という名前から、成長株に投資しなければならないかと勘違いする人もいますが、そんなことはありません。
成長性はなくとも利回りが高い「好配当利回り株」や「J-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)」に投資して資産形成を図ることもできます。
今日は、J-REITについて解説します。現在、平均分配利回り4.3%のJ-REITに長期投資していく価値があると思います。ただし、投資商品としての特色をきちんと理解した上で、適切にリスク管理する必要があります。
不動産への小口投資を可能にしたREIT
REIT(リート)とは何かご存じない方もいらっしゃると思いますので、基礎的なことから説明します。REITは、不動産への小口投資を可能にした「上場投資信託」です。
個人投資家が不動産に投資する場合、ワンルームマンションからアパート1棟までさまざまな投資対象がありますが、かなり大きな金額が必要です。資金規模の制約から、個人投資家が直接投資できる対象は限られます。
REITを通じて投資すれば、都心一等地の大型ビルに投資することもできます(図A)。
<図A>REITを通じて大型物件に投資
一等地の大型ビルにテナントが集中し、競争力のないビルからテナントが流出する「不動産の二極化」が顕著に見られる時代になりました。投資するならば、一等地の大型ビルに投資したいと考えます。
ところが、REITが普及するまでは、一等地の大型ビルに投資するには何百億円という規模の資金が必要でした。個人投資家の不動産投資では、小口で投資できるマンションなどが中心になり、大型ビルへの投資は困難でした。REITの普及によって、状況が変わりました。今では、小口資金でも、REITを通じて、大型ビルに投資することもできるようになりました。
REITは証券取引所に上場されていて、一般の株式と同じように売り買いすることができます。最低売買単位での投資額は、10万円以下から100万円超までいろいろあります。REITは日本にも海外にもあります。東京証券取引所に上場しているREITをJ-REITと呼んでいます。