今日の為替ウォーキング

今日の一言

どんな計画にも理論がなければならない。理論と思想に基づかないプランや作戦は、ヒステリー声と同じく、多少の空気の振動以外には、具体的な効果を与えることはできない

I'm In The Mood For Dancing

 BLS(米労働省労働統計局)が12月8日発表した11月の米雇用統計は、NFP(非農業部門の就業者数)が前月比で19.9万人増加して、市場予想の19.0万人増を上回った。UAW(全米自動車労働組合)とハリウッドの映画俳優組合のストライキ終了に伴う職場復帰による増加数は約4.5万人と見積もられている。製造業以外ではヘルスケアと政府関連の雇用が目立った。

 失業率は3.7%だった。失業率は前回10月に約2年ぶりの高水準となる3.9%まで上昇したが再び低下して、過去50年間で最も低い水準にある。平均時給は前月比で0.2%上昇、前年比は4.0%上昇した。また労働参加率は62.8%と、前月の62.7%から上昇した。

 今回の雇用統計では、前月に比べて就業者数が約4.0万人増加した。しかし、雇用市場が再びヒートアップしているわけではない。むしろその逆だ。ストライキという特殊要因を除くと、2カ月の増加数平均は17.5万人で、8、9月の平均26.2万人より約9万人減っている。

 就業者増加数は今年前半と比較しても勢いが衰えたのは明らかだ。とはいえ、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「ちょうどよい」と考える就業者増加数の月10万人から20万人程度のレンジに収まっている。11月雇用統計はFRBが「利下げ」を検討するほど弱くはなく、むしろ「長期にわたる高金利」を続ける必要を示した。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成