呪縛があったから積立が活きている
呪縛と聞くとマイナスのイメージを抱く方は多いと思います。呪縛は自分の思いに反して、誰かがもたらすさまざまな束縛を受け続けることだからです。フォルクスワーゲン問題がプラチナ相場にとって呪縛であるのは、問題発覚を機に生まれたまことしやかなうわさによって、価格上昇が阻まれているためです。
しかし、呪縛がプラスの要素を生んでいるケースもあります。「積立」でプラチナに投資をしていた場合、呪縛によって上値を抑えられていた期間に、保有数量が大きく増加したのです。
以下の図中の条件で積立を行ってきたとすると、足元の保有数量は、呪縛によって価格低迷を強いられてきたプラチナが約363グラム、価格が大暴騰した金(ゴールド)は約267グラムでした。プラチナの保有数量は金(ゴールド)の1.3倍強になったのです。
図:保有数量の推移 単位:グラム
保有数量が1.3倍であることは、仮に今後同じ上昇幅を獲得した場合でも、プラチナの収益が金(ゴールド)の1.3倍になる、ということです。
以下のとおり足元、累積の資産額では約88万円の差がありますが、その差分である約88万円を埋めるために2,500円程度上昇すれば達成できます(同じ額の利益を生み出すためには、金(ゴールド)は約3,300円程度の上昇が必要です)。
図:累積資産額の推移 単位:百万円
呪縛によって長期的な低迷を強いられたものの、足元のプラチナの資産の額は投資金を上回り、利益が出ています。価格低迷時に保有数量が効率的に増えた結果です。積立投資は、月々の投資金が変わらない場合、価格が下落すればするほど、購入できる数量が増えるためです。
呪縛がむしろ、保有数量を効率的に増やし、資産の額を大きくするきっかけになっていたと言えるでしょう。