自助(自分)

 最後に、自助です。

 これは文字通り、自助努力ということで、加入している公的年金保険、公的医療保険、そして職場の福利厚生を確認してみて、それでもリスクの備えとして足りない、という場合には、自分で民間の生命保険などに加入してリスクに備えることが選択肢になります。

 ただし、この自助も、大きく3つにわけることができ、こちらでも、

 公的 → 職場 → 自分

の順で検討していくことが重要になります。では、1つずつご説明致します。

公のサポートあり

 これは所得控除や税額控除、非課税など、さまざまな優遇措置がある商品・サービスです。

 例えば、生命保険料控除介護医療保険料控除個人年金保険料控除のように、支払った保険料のうち一定額まで所得控除になる制度があります(その分所得税、住民税が安くなります)。

 また、少額投資非課税制度(通称 NISA)個人型確定拠出年金(通称 iDeCo)のように、有価証券への投資をした場合に、非課税になる制度もあります。

 自助努力として各種保険商品や投資商品を利用する場合には、こういった制度を優先的に検討していくと、おトクになります。

職場特有

 自助努力の中の職場特有というのは、その職場で働いている人だけが利用できる商品・サービスです。

 具体的には団体保険といった形でその職場で働いている人は、一般の保険に加入するより割安に同じ保障内容の保険に加入できることがあります。

 こういった商品・サービスが利用できるのであれば、一般のものより、優先的に利用すると、おトクになります。

純粋な自助

 最後は、純粋な自助です。基本的に誰もが利用可能な商品・サービスです。

 税制優遇もなく、職場特有の割引もありませんので、おトク度としては最も低くなります。

 ただ、必要だと判断すれば、お得感があるかどうかは別として、リスクに備えるためには加入しておく必要があります。

各リスクごとに備えていく

 ここまで、「リスクに備える」ための基本的な考え方をご説明してきました。

 この考え方をもとに、まずは公的な保障の中心的な役割をする公的医療保険公的年金保険について理解を深めておきましょう。

  • 公的医療保険
  • 公的年金保険

 その上で、それぞれのリスクに応じた、公的な保障、職場の保障、自助の内容を確認していきましょう。

  • 病気やケガ
  • 働けなくなる・障害
  • 死亡
  • 介護

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ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 横田健一さん
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。YouTube「資産形成ハンドブック」も人気上昇中。

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