日本の景況は米国より良い。米国景況はわずかに持ち直し

 日本の景気・企業業績は好調です。13日発表の日銀短観では、製造業・非製造業ともに景況が改善しました。大企業・非製造業DIは+30と、絶好調といっていいほど高い水準です。リオープン(コロナからの経済再開)・インバウント消費(外国人観光客の消費)回復の恩恵を受けて、観光業・外食・イベント産業が活況です。

日銀短観、大企業製造業・非製造業DI:2018年3月~2023年12月

出所:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」2023年12月より楽天証券経済研究所が作成

 一方、米国の景況は低調です。ただ、12月に発表された11月の非製造業が持ち直したことで、米景気への不安がやや低下しました。

米ISM景況指数:2018年1月~2023年12月

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

円高ショックはまだ終わっていない

 今週の重要イベントは、18~19日に開催される日銀金融政策決定会合です。19日(火)の昼ごろ、結果が発表される予定です。マイナス金利解除に向けて、なんらかのメッセージが出される可能性もあると考えています。どうなるか発表まで分かりませんが、楽天証券経済研究所では、12月18日にマイナス解除予告があり、1月に実際に解除するという展開を予想しています。

 仮に予想通りであった場合、為替市場では、一段の円高(ドル安)が進む可能性があります。1ドル=140円を割り込むような円高になると、円高を嫌気して、一時的に日経平均が大きく下がる可能性もあります。その意味で、円高ショックはまだ終わっていないと考えています。