今日の為替ウォーキング

今日の一言

いいアイデアなら、とにかくやってしまうこと。許可を得るよりも謝る方がずっと簡単だ

Hold The Line

 今週は中央銀行の会合が集中する「中央銀行ウィーク」だ。FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行)、SNB(スイス中銀)、ノルウェー中銀、BCB(ブラジル中銀)、そしてBanxico(メキシコ中銀)が2023年最後の政策金利を発表する。

 13日(日本時間14日明け方)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利の据え置きが広く予想されている。FOMCは利上げを3会合連続で見送ることになる。

 しかし、マーケットの関心、政策金利よりもFRBが四半期に1度公表する、先行き3年間の主要マクロ経済変数の予測(Summary of Economic Projections、SEP)だ。今回のSEPでは、インフレ率の予測が大幅に引き下げられる可能性が高い。

 またドットチャート(ドットプロット)の最新版も公表される。ドットチャートとは、FOMCメンバーが予想するフェデラルファンド金利(政策金利)の見通しで、毎年3、6、9、12月に更新される。それぞれがひとつの点(ドット)の散布図になっているため、このように呼ばれている。来年の「利下げ」を予想するFOMCメンバーが何名いるか、そして利下げ幅の予想はどの程度かということが、今回のドットチャートにおける最大の注目点になる。

 FOMC後の記者会見のパウエルFRB議長はおそらくタカ派的姿勢を維持したままで、インフレに対する勝利宣言もしないだろう。 しかし政策指針が、「長期間にわたる高金利」から「長期間にわたる金融引締め」へと微妙に変化する可能性はある。前者は「利下げをしない」ことを意味するが、後者はインフレ水準が下がれば、調整的な利下げも選択肢に含まれることを示唆する。

 FOMCの翌日の14日は、ECB、BOE、そしてSNBの政策金利発表が発表される。ECBは9月に利上げして以来、2会合連続で政策金利を据え置く予想。今回の理事会ではECBスタッフによる最新のマクロ経済予測が公表される。済成長率、インフレ率ともに下方修正される方向で、ECBは来年利下げするとの予想も増えている。ラガルドECB総裁もパウエルFRB議長と同じく、マーケットが過度の利下げ期待を抱かないように全力を尽くさなくてはいけない。

 SNBは今後の利下げを見据えた「ハト派的」据え置きの予想。スイスでは11月のインフレ率が前月比マイナスなった。一方、英国のインフレ持続の懸念が残り、MPCメンバーの数名は利上げに賛成票を投じると見られるなかでBOEは「タカ派的」据え置きを決定する予想となっている。

 

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成