買ってはいけない金融商品3:現金化しづらい、現金化に時間のかかる商品

 代表的な金融商品である株式や債券、REIT(リート:不動産投資信託)などは数日で現金化することが可能です。しかし、金融商品の中には、売却することが難しかったり、時間がかかったりする商品もあります。

 特にシニア世代では、医療や介護などに直面して、突然多くの資金が必要になる場合もあります。いざお金が必要だというときに手元資金が不足していれば、投資資産を売却せざるを得ないときもあるでしょう。

 そのような問題に直面しているときに、現金化するのに手間や時間的負担が大きいと、精神的にも負担が大きくなってしまいます。

 現金化に時間や手間がかかるのは、仕組債(*2)や一部のヘッジファンド(*3)、私募投資信託(*4)など、あまり一般的ではない金融商品などが該当します。

2…仕組債:デリバティブを組み合わせて、一般の債券にはない仕組みや高いリターンを得る条件を付与した債券。代表的なものにEB債(個別株式の株価に連動)、日経平均株価連動債券などがある
3…ヘッジファンド:さまざまな運用方法を組み合わせて相場の変動にかかわらず利益を追求することを目的とした商品
4…私募投資信託:50人未満の投資家を対象とした金融商品。株式だけでなくREITなどを投資対象とすることも多い

買ってはいけない金融商品4:仕組みが複雑!分かりづらい商品

 高齢になると、人間の判断力や理解力はどうしても衰えてしまいます。

 今ではほとんどの金融商品に関する情報はネットで調べることができたり、分析レポートを通じて運用状況を知ることができますが、中には仕組みが複雑で何に投資をしているのか、どのようなときに価格が変動するのか、分かりづらい商品もあります。

 分かりづらい金融商品は、自らの資産がどう変化していくのか、どう対処すべきか分からないことと同じです。

「その金融商品を理解できているか?」と自分に問いかけ、理解できない金融商品なら、避けたほうがいいのです。

買ってはいけない金融商品5:安定した利息・配当が約束されたように見える商品

 金融商品の中には、過去の実績や商品の仕組みや投資方法を説明して、安定した利息・配当がもらえるように見える説明をしていることがあります。

 このような商品は「安定した利息・配当が約束されたように見える」だけで、どの程度のリスクがあるのか分かりづらい説明であるケースがほとんどです。

 ひどい場合には、ポンジスキーム(*5)であることも考えられます。投資をするときは常に「うまい話には裏がある」と、心にとどめておいてください。

5…ポンジスキーム:金融詐欺の一種。安定した配当金を支払うといいながら、実際には運用をせず、新しい出資者からの出資金を配当金として支払いながら、破綻することを前提にお金をだまし取る手法