運用の基本は同じ!でも「シニア世代」は気をつけたい金融商品の選び方
現役世代、シニア世代ともに、初めて資産運用をする人にとって金融商品選びは難しく、お困りの方も多くいます。
そこで「シンプルで」「コストが低く」「手間の少ない」商品選びをおすすめしていますが、日経平均株価や米国のS&P500種指数に連動する投資をする「インデックス運用」から資産運用を始める方が多いようです。
インデックス運用とは、目安となるベンチマークに連動された運用方法で、主に日経平均株価や米国のS&P500のような代表的な株式の指数(インデックス)に連動させる運用です。
個別の銘柄に投資する株式投資も悪いわけではありませんが、慣れていない方が銘柄研究や投資資産の価格変動に対応するには時間がかかるでしょう。
シニア世代はさらに、「リスクとリターンのバランスのよい運用で資産を増やしたい」もしくは「安定的な運用で利息・配当収入を継続して得たい」といった投資目的に適切な金融商品がある一方、買ってはいけない金融商品もあります。
そこで、50~60代のシニア世代の資産運用でよくある失敗事例も踏まえて、「買ってはいけない金融商品」をお伝えします。この「買ってはいけない金融商品」を避けて、安全な資産運用を検討してみてください。
買ってはいけない金融商品1:コストが割高な商品
シニア世代が初めて投資をするとき、金融機関でよく提案される商品の中には、購入時や運用中のコストが高い金融商品があります。例えば、ファンドラップ(*1)や金融機関がすすめる投資信託、変額年金保険などは避けるべきでしょう。
適性なコストを見極めるには、投資先が似ている金融商品で比較したり、一つの金融機関だけではなく、複数社で比較したり、インターネットで商品の評判を調べることもいいでしょう。
*1…ファンドラップ:ヒアリングした投資目的や経験、運用方針をもとに、投資先の資産や配分を選び、その後の資産配分調整なども行ってくれる投資一任サービスのこと。サービスが充実している一方でバランス型ファンドよりも費用は割高になる傾向がある
買ってはいけない金融商品2:リターンが高い商品(=リスクが高い商品)
ハイリスクな商品(価格変動が大きい)ほどリターンが大きいため、投資がうまくいった場合の利益は大きくなりますが、逆にうまくいかなかった場合には損失が拡大します。
実は投資経験が少ない人ほど、うまくいった場合のリターンに目を奪われ、ハイリスクな商品に資金を集中しがちです。
ハイリスクと分かっていても、うまくいっているうちはリスクの高さは実感しづらいものです。そのうち、さらに少しでも高いリターンを得ようと、当初よりずっと高いリスクをとってしまっている方が多いのです。
特にシニア世代はまとまった資金で投資していることもあり、投資に慣れていないときにコロナ・ショックといった相場の暴落に遭遇すると、対応しようとしてあわてて損切りしてしまい、大きく資産を目減りさせることにもなりかねません。
これを避けるためには、あまり大きなリターンを目指さず、投資目的にあったリスクの範囲内に抑えるよう、定期的に投資先の資産配分を見直すべきなのです。