【米ドル/円】QE3期待の剥落でドル買い

昨日までの動向

2月 29日 米ドル/円:[始値] 80.453[高値] 81.300[安値] 80.248[終値] 81.140 ※数値はBID値です。

2月29日米ドル/円は、陽線引けとなりました。
東京市場の米ドル/円は月末要因から仲値にかけて買いが入り80.70手前まで値を戻しました。
市場のムードもLTRO(ECBによる資金供給オペ)への期待からクロス円が上昇して始まりました。
その後、予定時刻を過ぎてもLTROの結果が発表されない事から一旦リスク回避姿勢が強まり、円が買い戻される動きが見られました。
またオーストラリアの小売売上高が発表され、結果を好感した豪ドル買いが入る局面がありました。

欧米市場では注目されていたLTROの結果が発表され、予想を上回る供給額となるとマーケットはユーロ売りで反応しました。
ユーロ/米ドルは1.35乗せに再び失敗し1.3420アラウンドまで売り込まれ、ユーロ/円も108円割れまで軟調な推移となりました。
その後バーナンキFRB議長の議会証言が行われ、労働市場など経済環境の改善に言及する一方で金融緩和に触れなかった事からドルが急騰しました。
また短期的に積み上がったドルショートポジションを月末で手仕舞う(ドル買い戻し)動きも拍車をかけた模様です。
米ドル/円は80円30銭付近から1円近く上昇し、そのまま81円台を維持し高値引けとなりました。

米ドル/円 直近の値動きと主なイベント

東京市場概況

【米ドル/円】
月末要因から仲値にかけて上昇し、LTRO期待からクロス円も堅調に推移。

欧米市場概況

【米ドル/円】
東京時間は反発も見せたが、予定時間を過ぎてもLTROは発表されない事から一旦リスク回避の円買い優勢。
仲値後の80.70レベルから80.25付近まで反落し、その後は材料難からレンジでの推移。
バーナンキFRB議長の議会証言後はQE3期待の剥落からドルの独歩高で81.30付近まで上昇後、81.14レベルでクローズ。

【ユーロ/円】
ユーロ/円は、陰線引けとなりました。
東京時間に仲値とLTRO期待で戻すも、予定時間を過ぎてもLTROが発表されない事を嫌気した円買いで反落。
108.70レベルから108円割れを窺うも反発に転じたが、LTROの結果を受けてマーケットはユーロ売りに傾斜。
その後、米経済指標が強い結果となるもバーナンキFRB議長の議会証言をドル買いが進展。
米ドル/円とユーロ/米ドルの動きにはさまれ、後半は膠着し108.115レベルでクローズ。

【豪ドル/円】
豪ドル/円は、陽線引けとなりました。
ユーロ円同様、仲値とLTRO期待で戻すも、予定時間を過ぎてもLTROが発表されない事を嫌気した円買いで反落。
ただ発表された小売売上を好感した買いが入り下げも限定的にとどまりました。
LTROの結果を受けユーロ/円の売りに引っ張られるも、ユーロクロス売り(ユーロ/豪ドルなど)に支えられ底堅く推移。
豪ドル/円は87円台を維持し、87.090レベルでクローズ。

本日の展望

【米ドル/円】バーナンキ議会証言でドル堅調

議会証言、月末に絡んだドルショートの巻き戻しで81円を回復し堅調な推移が続いています。
前回の急落時に売りそびれた輸出筋のオーダーも控えているものの、足元の経済状況を鑑みると上昇バイアスがさらに高まっています。
上昇した際の抵抗線は前回高値となる81.70付近そして82円で、下のサポートラインは昨日キャップされていた80.80レベルが重要視されています。
予想レンジ:80.75-81.65

米ドル/円 日足チャート

【ユーロ/円】値幅が収束気味

LTROでのユーロ売りやバーナンキ議長の議会証言でのドルが買いでマーケットは動意付いており、ユーロ/米ドルと米ドル/円にはさまれ、ユーロ/円は動きづらくなっています。
ただレンジの収束は大きく動く前の兆候なので、108.00-108.50のレンジを抜けてきた場合はその動いた方向での取引が重要です。

ユーロ/円 日足チャート

【豪ドル/円】底堅い動き

LTROでのユーロ売りやバーナンキ議長の議会証言でのドルが買いでマーケットは動意付いており、豪ドル/米ドルと米ドル/円にはさまれ、クロス円である豪ドル/円は動きづらくなっています。
ただ、マーケットはユーロクロスでもユーロ売りをしており、豪ドルは主体性はなくも底堅い動きとなっています。
鍵となる87.00-87.50レンジを抜けた後の動きが注目で、バイアスはやや上向きになりつつあるという感じがあります。

豪ドル/円 日足チャート

ユーロ/ドル 週足チャート ・日足チャート

本日の主な指標

<欧米市場>
【注目度☆☆ 】東京時間22:30 (米)個人消費支出 -1月     予想 0.4%   前回 0.0%
【注目度☆  】東京時間22:30 (米)個人所得 -1月       予想 0.4%   前回 0.5%
【注目度☆  】東京時間22:30 (米)新規失業保険申請件数    予想 35.5万件 前回 35.1万件
【注目度☆☆ 】東京時間24:00 (米)ISM製造業景況指数 -2月   予想 54.5   前回 54.1

※注目度は☆☆☆が高 ☆☆は中を示します。

 

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

当レポート掲載時間:当日13時頃~翌日正午12時頃まで、当日最新版は13時頃に更新いたします。