「コモディティ=先物」ではない
まずは、「コモディティ投資」について述べます。以下のとおり、コモディティ投資は、時間(短中期、中長期、超長期)、銘柄(金属、エネルギー、農産物)、場所(国内、海外)によって、分類できます。
しばしば、「コモディティ投資=先物取引」とされることがありますが、先物はコモディティ投資の一つの形態にすぎないため、正しい認識ではありません。先物だけでなく、現物や投資信託、ETF(上場投資信託)や関連株、CFDなどでもコモディティに投資をすることができるためです。
コモディティ投資に触れることは、こうしたさまざまな投資に触れることを意味します。留意したい点の一つに、国内・海外の区別、があります。基本的に、国内市場は海外市場に追随します。
例えば金(ゴールド)の場合、円建て金相場はドル建て金相場が下落(上昇)した場合、下落(上昇)する傾向があります。
しかし、ドル円相場が急変した場合は、その限りではありません。円安が急進した近年を振り返ると分かるとおり、ドル建て金相場はほとんど動かなくても、円建て金相場が史上最高値を何度も更新しました。急伸した円安が、円建て相場に上振れする力を与えているのです。
図:コモディティ投資のいろいろ
分析をしたり投資をしたりしているコモディティ銘柄が、円建てなのか、ドル建てなのかを明確にする必要があります。筆者はドル建てをメインで分析をしています。その分析にドル/円の変動を加味し、円建ての分析につなげています。