米アップル株の動きにも注目

 そのほか、個別銘柄では今週決算が予定されている米アップル株が注目されるかもしれません。

図5 米アップル(AAPL)日足とMACD(2023年10月27日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のアップル株は、週末にかけての下落によって、200日移動平均線を下回ってしまいましたが、保ち合いのレンジ内での推移をキープしています。

 また、先ほどのNYダウと同様に、8月・9月・10月と株価が安値を更新する一方で、同じ期間のMACDが下値を切り上がる逆行現象が出現しており、下落トレンド転換の予兆も見受けられます。

 そのため、決算を受けての株価の反応が市場のムードに大きな影響を与えそうです。

目先の日経平均の予想レンジは3万300円~3万2,400円。レンジ幅の拡大も

 最後に、目先の日経平均の予想レンジについても考えて行きたいと思います。前回のレポートと同じく、75日移動平均線乖離率をボリンジャーバンド化したもので捉える見方自体に変更はありません。

図6 日経平均75日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2023年10月27日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡデータを元に筆者作成

 75日移動平均線乖離率は、夏場にプラス10%を超えるところから、最近はマイナス5%を下回るところまで一気に低下し、低空飛行が目立っている最中です。

 チャートを過去に遡ると、2021年のあたまにプラス10%超えからマイナス5%まで低下する場面がありましたが、足元と同じように、その後は中心線(MA)のところでもたつく場面が秋ごろまで続きました。そのため、ボリンジャーバンドの中心線が当面の上値の目安として意識されます。

 先週末時点の75日移動平均線が3万2,208円でしたので、この値を元にボリンジャーバンドのMAからマイナス2σ(シグマ)を計算すると、3万300円~3万2,400円あたりが想定されるレンジ幅になります。

 さらに、今回のレポートのテーマとなっている、相場の「次の展開」に向けて、今週の株式市場が動き始めた際には、レンジ幅を広げて行きます。その場合、下方向であればマイナス10%乖離(2万8,987円)、上方向であればプラス5%(3万3,818円)あたりが目安となりそうです。

 いずれにしても、ここからは年末に向けて「株式市場が動き出す」タイミングが近づきつつあることを踏まえて、相場に取り組んでいく必要がありそうです。