今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは149.60

 ↓下値メドは149.05 

中国不況:中国は構造的不況。政府の景気刺激策では解決できない
日本経済:日本企業が新規投資を抑制。人手不足と中国の需要後退
米経済:雇用の安定と保障が中流家庭の消費支出を促し、米経済のソフトランディングを支援する
欧インフレ:レーンECB主任エコノミスト「インフレ減速はまだトレンドになっていない」
ペソ高終了:メキシコ中銀がNDFプログラム終了と緩和サイクル開始、外貨資産を拡大 

市況

 2023年195営業日目のドル/円は、前日比「円高」。

 9月28日(木曜)は149.53円でオープン。東京時間朝に149.57円まで上昇したが限定的で、27日の年初来高値の149.71円に届く前に下落。夜遅くには149.15円まで下落したが、149円台はキープして終値は149.29円(前日比▲0.35円)。

 今週のドル/円は11カ月ぶりの高値(円の安値)を塗り替えながら149.71円まで上昇して11カ月ぶりの高値(円の安値)を更新した。口先介入はまったく効かなくなった。もっとも9月末の企業決算の時期にあえて実弾介入するほどの緊急性があるとも思えない。年度末のドル需要が一服した後は、自然調整が入る期待もある。それでも150円へ行くなら真面目に考えようということだろう。

 10月から新年度に入る米国は、9月30日までに新年度予算が成立しないと政府機関が閉鎖され、経済指標発表も延期される。「データ重視の政策決定」を標榜するFRB(米連邦準備制度理事会)の方向が不透明になることでマーケットを混乱させることも考えられる。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
149.57円(09/28)
149.71円(09/27)
149.71円(10/24)

サポート:
149.15円(09/28)
148.86円(09/27)
148.70円(09/26)
148.25円(200時間移動平均)

 マーケットは、150円以下での「実弾介入」はないと考えている。日銀とFRBの政策スタンスが修正されない限り150円は通過点で、来年前半には160円台の可能性もある。

 2023年のドル/円は、円高になった月もあるが、平均すると毎月2円ずつ円安が進んでいる。このペースを保てば年末の155円到達は現実的である。

 さすがに、政府もそんな円安は許さないと、介入期待が盛り上がっている。しかし日本の金融政策が変わらなければ、介入効果は長続きしない。ドル/円を買い逃した人には、「口先介入」は財務省が親切にも用意してくれる敗者復活戦だ。ドル/円を下げてくれるのを今か今かと待っているだろう。

 政権・日銀が唯一懸念しているのは、円安のスピードであって、円安自体はむしろ歓迎している。「円安」のほうが、「利上げ」よりも国民生活への直接的影響が見えにくい分、まだ批判が少ない。「緩やかな円安」と「マイナス金利」。これをできるだけ長期間続けることが日銀の政策目標だ。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成