予想配当利回りの高過ぎる銘柄は要注意:減配リスクを見分けるための5条件

 全ての上場銘柄から予想配当利回りが高い銘柄を抽出すると、上位には、予想配当利回り7%以上の銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高過ぎる銘柄には、減配リスクの高いものが多いからです。

 減配リスクが低い好配当の有望銘柄は、予想配当利回りで3~5%の辺りにたくさんあります。それでは、予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄を選ぶ方法を解説します。条件を具体的に見てみましょう。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下の特色があります。

【1】時価総額が大きい
【2】収益力が良好(経常利益率が高い)
【3】財務が良好(借金が少ない)
【4】景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
【5】経営者が株主への利益配分に積極的

 5条件全てを満たす必要はありません。また、上記の条件を全てチェックするのは大変過ぎます。実際に投資銘柄を選ぶときは、上の条件のうち最上位の条件【1】だけ満たす銘柄を選べば、投資候補として十分です。

 以下、覚えておいてください。

<好配当利回り株の選び方>
時価総額1兆円以上から選ぶだけでも良い

 予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄をしぼりこむ時、時価総額が大きい(例えば1兆円超)という条件だけ満たすものを選んでも、まあまあ良い銘柄を選んでいると言えます。

 時価総額が1兆円以上の銘柄には、収益力が安定的で財務が良好な銘柄がたくさんあるからです。つまり、【1】だけ満たす(時価総額が大きい)銘柄を選べば、自動的に【2】収益力や、【3】財務でも、まあまあ良い銘柄を選んでいることになります。

【4】と【5】は必須条件ではありません。【4】や【5】にも該当すれば理想的というだけです。

「不況の影響をうけにくい業種から選ぶ」が、条件【4】です。情報通信・医薬品・食品などに、不況の影響を受けにくいディフェンシブ株が多数あります。

一つのバスケットに全ての卵を入れるな

 好配当利回り銘柄への投資では、特定銘柄に集中投資すべきではありません。どんな銘柄にも、固有のリスクがあり、減配リスクが低く見えても、減配になって株価が下がることはあり得ます。

 1銘柄に集中投資するのは避けた方が良く、また同じ業種の銘柄ばかり買うのも望ましくありません。減配になりにくい性質を持った銘柄で、なるべくたくさんの銘柄・業種に分散投資すべきです。

 また、平均分配金利回りが約4%のJ-REIT(ジェイ・リート:国内の不動産投資信託)に分散投資するのも良いと思います。

 具体的な投資銘柄については、以下「著者おすすめのバックナンバー」をご参照ください。

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