情報を入手しやすいメジャー銘柄がオススメ

──2つ目は?

 自分がその企業の製品やサービスを利用しているかどうかです。投資の神様といわれるウォーレン・バフェットは「投資先は自分が理解できるビジネスモデルに限るべきだ」といっていますが、私もそれに近い考えです。

 自分が利用していると、消費者の視点からその企業を評価できるので、売り買いのタイミングが分かりやすいというよさがあります。

 コロナショックのようなことが起こって、保有銘柄が下落すると、このまま持っていて大丈夫だろうかという不安に襲われます。

 結果、「ろうばい売り」してしまうこともあるでしょう。で、売ったらすぐ市場が反転し、後悔するというのもよくあることです。

 その点、自分がその会社の製品やサービスを使っていると、その下落が市場環境によるものなのか、それともその会社の経営自体に起因するものなのかが分かります。

 例えば製品やサービスの品質が極端に落ちているのであれば、明らかに後者と思えます。その場合、市場環境が好転しても株価が回復することは考えにくいので、売るという結論が導き出されるわけです。

──エルさんはリーマンショック時、慌てて売らなかったことが功を奏したとおっしゃっていました。自分にとって馴染みの深い会社の株を持っていたから、いずれ反発すると予想できたのですね​。

 その通りです。

──でも、それなら、なじみのある銘柄が多い日本株のほうが、分かりやすくないでしょうか?

 今は、日本でも、米国製の製品やサービスが、とてもなじみのあるものになってきていますよ。

 私は、マイクロソフト(MSFT)アップル(AAPL)ネットフリックス(NFLX)ビザ(V)マクドナルド(MCD)スターバックス(SBUX)ナイキ(NKE)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)なども保有していますが、これらは、日本でもファンが多く、ユーザーも多い、なじみのある企業のはずです。

──確かにそうですね。では、3つ目はなんでしょうか?

 海外の銘柄に投資する場合、いかに情報を入手するかという問題に直面します。ですから、情報を入手しやすいかどうかも大事です。

──前回、誰もが知っているような銘柄なら、日本でもいくらでも情報を入手できるので、英語力がなくても問題ないとのことでした。ということは、やはりメジャーな銘柄を選んだほうがいいのでしょうか?

 はい、GAFAMなどの有名企業だと、何か大きな動きがあったり、決算に異変が見られたりすると、日本でも必ず報道されます。

 ましてや、最近は、米国株人気が高いため、投資メディアなどでもたびたび特集が組まれます。ですから、基本的にはメジャーというか、ポピュラーな銘柄のほうが情報を得やすいと思います。

──かつてエルさんは、ファーストリテイリング(9983) がブレークする前に株を買って、ひともうけされました。あまり知られていない優良銘柄を探すというのも投資の醍醐味(だいごみ)だと思いますが、それは米国株だと難しいのでしょうか?

「自分は英語が完璧だし、米国の投資事情にも詳しい」という人なら反対はしません。そうでないなら、みんながよく知るポピュラーな銘柄に絞ったほうが間違いないでしょう。

 先ほど話したように、米国株であれば、メジャーな銘柄でも大きく稼ぐチャンスがありますから。

──では、次回は、エルさんが注目している米国銘柄などについてお伺いします。

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