米国には連続増配銘柄が多い

──もう1つ、米国株の特徴として、連続増配銘柄が多いことが挙げられます。

 それも大きな魅力の1つです。日本株で30年以上増配を続けているのは花王1社だけです。ところが、米国には50銘柄近くあります。

 コカ・コーラ(KO)プロクター・アンド・ギャンブル(PG)ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などは50年以上連続増配を続けています。これも収益性が高いからこそ、成せる業です。

──株価上昇による値上がり益を狙いたいという人はもとより、配当金で稼ぎたいという人にとっても米国株のほうが有利だということですね。

 それは間違いないでしょう。もちろん、これまで50年連続で増配してきたからといって、来年以降も増配するとは限りません。しかし、こうした企業は2000年のITバブル崩壊時やリーマンショックのときですら、増配してきました。

 それだけ財務基盤が盤石で、危機に対する余力が十分備わっているということです。だから、今後、経済危機が訪れるようなことがあっても、意外と減配する企業は少ないかもしれません。

──エルさんは配当金目当てで買うことはあるのですか。

 私の場合、「株価上昇が見込める銘柄を買う」というのが基本スタイルです。だから、配当利回りが高いという理由だけで買うことはありません。

 ただし、当然、保有銘柄の中には配当のある銘柄も多いので、一定の配当金は得ています。

──では、どういう観点から銘柄を選ぶのですか?

 大きく分けるとポイントは3つあります。1つはいうまでもなく、その企業、あるいはその会社の事業が強固であるかどうか。具体的には収益性が高いか、同業他社に打ち勝てるだけの競争力を有しているか、ブランド力があるか、成長性が高いか、などです。

 ちなみに収益性は、企業の収入における利益の割合である「売上高営業利益率」や、営業活動で生じる現金収入である「営業キャッシュフロー」、成長性は毎年売上高が伸びているかどうかなどで判断します。

──それらをご自身で調べるんですか?

 もちろんです。ただし、投資関連機関の格付けなどを参考にすることもあります。