米景気ソフトランディングの楽観、落とし穴はないか?
ソフトランディングかハードランディングか、2年以上続いている議論に、まだ結論はありません。高インフレが長期化し、金利の一段高によってハードランディングに向かうリスクも、依然、低くはありません。
米インフレを高止まりさせる要因はまだ以下の通りたくさんあります。
【1】米国で人手不足が常態化、雇用は強く、賃金上昇圧力が続く。
【2】世界経済の分断がインフレを継続させる。米中分断、ロシア経済の切り離しが、インフレ要因として続く。
【3】世界中の中央銀行が金融緩和の大盤ぶるまいを続けてきた後遺症が残っていること、特に日本は今でも異次元緩和を続けておりインフレ高進のリスクがある。
以上より、日米とも株は良い買い場と判断しているものの、短期的にはこれからもショック安が起こる可能性はあります。時間分散しつつ、少しずつ株を買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると判断しています。
なお、日本株は以下の通り、名目GDP(国内総生産)の伸びが加速していることが、企業業績・株価に追い風になると判断しています。
日本の名目・実質GDPの四半期別成長率推移(季調済・前期比年率):2022年1-3月期~2023年4-6月期(速報値)
日本の2023年(暦年)の名目GDPは、IMF(国際通貨基金)によると5.2%成長と予測されています。バブルの余韻が残っていた1991年以来の高い伸びになる可能性があります。
日本の名目GDP、年別の成長率:1981~2023年(IMF予測)
▼著者おすすめのバックナンバー
2023年8月28日:日経平均4万円超え、早ければ2年後と予想する理由
2023年8月17日:日本株に追い風、名目GDP成長加速。時間分散しつつ買い増しの方針継続
2023年8月3日:三菱UFJ・三井住友FGの「買い」継続、4-6月決算好調、日銀のYCC修正で収益改善期待