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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
米景気ソフトランディング期待から日米とも株上昇。はしご外されることはないか?

米景気ソフトランディングへの期待が復活

 先週(8月28日~9月1日)の日経平均株価は1週間で1,086円上昇して3万2,710円となりました。米景気が減速、インフレが徐々に低下する中、米景気ソフトランディングの期待が高まり、米国株が上昇した流れを受けて、日本株にも外国人投資家と見られる買いが入り、上昇が続きました。

 8月前半は、世界的な金利上昇を受けて米国株・日本株とも調整しましたが、8月後半には、米景気ソフトランディングへの期待が復活して米国株・日本株とも買い戻される展開となりました。

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、さらなる利上げもあり得るという姿勢を維持していることへの不安はありますが、米景気ソフトランディングへの期待は続いています。

日経平均・ナスダック総合指数比較:2021年末~2023年9月1日

出所:2021年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 過去2年にわたり、米景気がソフトランディングするかハードランディングするか、議論が続いてきましたが、いまだに結論が出ていません。

 2022年はハードランディングの不安が勝り、ナスダックの下落が続きました。2023年に入り、米景気が堅調なうちに、米インフレが低下してきたことから、ソフトランディングの期待が高まっています。それでも、FRBがいつまでも利上げを続ける姿勢を崩していないことに不安はあります。

 8月前半は、米国債格下げショック(米格付会社フィッチが米国債の格付をAAAからAA+へ1段階引き下げ)に加え、FRBがタカ派姿勢を維持していることに対する不安もあって、米長期金利が4%台に上昇し、ナスダック総合指数(ナスダック)は下落しました。

 8月後半は、ソフトランディングへの期待が復活し、米金利がやや低下したことを受けて、ナスダックは反発しました。

米長期(10年・2年)金利と短期金利(FF金利)の動き:2021年1月4日~2023年9月1日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 米景気には、長短金利が逆転してから1年くらい後にリセッション(一時的な景気の後退)入りするという経験則があります。ただし、それはあくまでも経験則で、実際にはそうならないこともあります。私は、今回はリセッションまで落ち込むことなく、持ち直すと予想しています。