FRBの方針が変わっても緩やかに上昇

 FRBの方針が、現在の引き締めから緩和(利上げ打ち止めや利下げ示唆)に変わった場合は、どうなるのでしょうか。以下のとおり、国内大手地金商の金(ゴールド)価格は、(ドル安の反対側の)円高に抑えられながらも、ドル建て金(ゴールド)価格に追随し、緩やかに上昇すると、筆者は考えています。

図:FRBが緩和的措置に転換した場合の影響

出所:筆者作成

 FRBが緩和的な措置をとったことで発生したドル安の際、ドル建て金(ゴールド)価格が大きく上昇したことがあります。2009年から2013年ごろまで断続的に続いた大規模な金融緩和(QE1~3)の時、「ドル安・ドル建て金高」が目立ちました(ドル建て金は急騰状態)。

 また、コロナショック(2020年)後の大規模な緩和時も、「ドル安・ドル建て金高」が目立ちました(この時、ドル建て金価格は初めて2,000ドルに到達)。

 FRBが緩和的な措置をとると、ドル安・ドル建て金(ゴールド)高が起き得ます。緩和的な措置を好感し、楽観ムードと株高が生じ、有事ムードと代替資産(株の代わり)起因の下落圧力は発生しますが、FRBの緩和的な措置起因のドル安は、そうした下落圧力を上回る上昇圧力を生む場合があります(株高でもドル建て金(ゴールド)高が起き得る)。

 将来的に、FRBが緩和的な方針に移行し、円安という強力な上昇圧力がなくなった場合でも、ドル建て金(ゴールド)高という、基本原則に基づいた本来の上昇圧力に支えられ、国内大手地金商の金(ゴールド)価格は緩やかな上昇局面を迎える可能性があると、筆者はみています。

(ある意味1万円到達は、円安が急進していることの証でもあるわけですが…)今後も、歴史的な大台に達した国内大手地金商の金(ゴールド)をはじめとした、金(ゴールド)価格全般に、短期、長期、両方の視点で注目していきたいと思います。

[参照]金(ゴールド)関連の投資商品例

長期:

・純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
・投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中期:

・関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
・関連個別株
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

短期:

・商品先物
国内商品先物
海外商品先物
・CFD
金(ゴールド)、プラチナ、銀、パラジウム