食料品や電気・ガス、ガソリン代など相次ぐ値上げで、生活費の負担が日増しに大きくなっています。ロシアによるウクライナ侵攻を背景にエネルギー価格が高騰し、円安も重なって、40年以上前の第二次石油危機以来のインフレ(物価上昇)と言われています。

 今年の夏は連日、危険な暑さに見舞われ、全国の7月の平均気温はここ100年余りで最も高くなりました。室内でも熱中症にならないようにエアコンは付けることが強く推奨されています。多くの電力会社が6月から電気料金を値上げしており、例年よりますます痛い出費になってしまいます。

 そこで検討したいのが、固定費の見直しです。

 今回は、「見直したい固定費」をテーマにアンケート調査を実施しました。見直しの上位に挙がった項目について節約方法を詳しくご紹介していきます。

一番見直したい固定費は?アンケート結果を公開!

 以下がアンケートインフレが家計を脅かしています。節約するために見直したい固定費はどれですか?結果になります。

Q:インフレが家計を脅かしています。節約するために見直したい固定費はどれですか?

※楽天証券トウシル調べ(回答者数:1,135票、投票期間7月11~25日)

すぐに始められる!上位3位の固定費見直し方法をご紹介

1位:光熱費

 電気代やガス代の光熱費が22.1%(251票)で最多でした。生活する上で必要不可欠な出費です。

 総務省の家計調査報告(2023年5月)によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり28万6,443円で、そのうち約8%に当たる2万2,820円を光熱費と水道費が占めています。5月調査なので、電気代が値上がりなどで6月以降はもう少し高くなる可能性があります。

 それでは、光熱費の節約はどうすればいいのでしょうか?

 まずは、契約プランの見直しです。

 電気代は、電力会社やプランを切り替えることで年間数万円の節約ができる場合もあります。

 例えば、特定のクレジットカードで支払うことで、毎月の電気料金が割り引きされる特典があったり、契約のアンペア数を減らすことで基本料金を抑えられたりします。古い家電から省エネ性能に優れた最新製品に買い替えることも効果的です。

 ガス代の場合も、自分に見合ったガス会社の料金プランに変えてみましょう。

 また、お風呂の追い焚き回数を少なくすることで使用量の節約が期待できますよ。

2位:保険

 2位は、20.3%(230票)の保険で、1位の光熱費とはわずかな差でした。

 生命保険は、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、2人以上の世帯の年間払込保険料は平均37.1万円です。払込期間によって、家の次に大きい買い物となることもあります。

 保険は、結婚、出産、就職や転職などで経済状況が変わったときなどのライフステージの変化に応じて加入を検討したり、見直したりするようにしましょう。

 保険を見直す項目としては、保険の種類、保障内容と金額、保障期間、保険料などがあります。

 金額や期間などの保障内容は自動的に切り替わりませんが、ライフステージの節目によって必要となる保障は変わってくるため、従来の保険では掛け金が高くなり、不利な場合があります。

 従って、自身のライフステージや資産状況などと照らし合わせて、定期的に見直すと良いでしょう。

3位:通信費

 3位の通信費は、15.8%(179票)でした。

 家庭でかかる通信費は、インターネット回線や固定電話の固定回線と携帯電話やスマホのモバイル回線の二つがあります。

 通信費の料金体系は少し複雑ですが、一度見直せば持続的な節約が期待できます。

 まずは携帯電話の料金プランを見直しましょう。

 キャリア各社がここ数年で割安プランを導入し、以前よりは毎月の利用料が下がったものの、必要以上に大容量のプランに加入している場合は見直すことをおすすめします。

 大手キャリア会社は低価格プランや格安のサブブランドを展開しているので、検討してみましょう。大容量プランがなかったり、オンライン上で手続きをしなければならなかったりするデメリットはありますが、乗り換えで大幅にスマホ代を削減できるかもしれません。

その他の回答は?みんなはなにを節約したいの?

 4位には娯楽費、5位には定期購読や会員登録、6位には住居費と続きました。 

 また、アンケートでは自由回答欄に食費の節約法について書いてくれた方もいました。食料品の購入を必要最低限に抑え、外食の際に食べ残しがあれば、お店の人に相談して可能な限り持ち帰るようにしているそうです。

 すでに見直せるものは見直して、これ以上節約できないとの回答もいくつか見受けられました。

 副業やフリマアプリへの出品などで収入を得ることも家計の手助けになるかもしれません。

節約方法の一つとして固定費の見直しが効果的!(まとめ)

 今回アンケート結果をもとに、固定費の見直し方についてご紹介してきました。

 見直しは面倒だと感じるかもしれませんが、一度見直すと長期的に節約効果が期待できるものばかりなのでおすすめです。

 固定費の削減で余裕資金が生まれれば、株式や投資信託に投資して、資産形成をするのも一つの選択肢です。

 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を利用すれば、株式や投信の売却益や配当など運用益が非課税になります。

 iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、運用益が非課税になることに加え、掛け金が所得控除されます。

 少額で長期にわたって積み立て投資をしていけば、運用で損をするリスクも抑えられます。

 節約によって、今すぐ使う予定がないお金ができたら、将来のための資産運用を検討するのも良いでしょう。