優待株式+米国株式投資で1億円

A夫妻(50代前半・会社員)

 2000年初頭のITバブル絶頂期のころから日本株投資を優待目的で始め、こつこつと保有銘柄を増やしていった妻のAさん。慣れてくると、優待目的から離れ、株価の値上がりを目的とした本格的な投資へとシフトしていきました。リーマン・ショック後の安値のころから本格的に買い始めたこともあり、現在の保有銘柄数は50銘柄以上、株式資産は約4,000万円を超えています。

 実はAさんの投資は、含み損の銘柄はもちろん、含み益の銘柄も「売らない」スタイル。売買せず、一度買った株をずっと長期保有し続けているのです。理由は、リスクを避けようと、いろいろな銘柄を数多く買った結果、どのタイミングでそれぞれ売買したらいいか判断が難しくなったこと。意識せず、分散投資のポートフォリオができ上がっています。

 一方、米国勤務経験の長い夫は、米国の成長力を肌で感じていたため、米国株投資一筋。運用資産は6,000万円ほどになっています。

 そして、1億円を目標に投資してきた夫妻の株式資産の合計は1億円を達成。妻のAさんは今後、少しずつ売却して利益確定するつもりだと言います。

1億円達成の理由

解説:西崎努氏

 妻のAさんの成功要因は、株価が値下がりしても「持ち続けた」こと。

 実はAさんのように株式を「売らない」例は意外に多いもの。どこが売却のベストポイントなのか考え過ぎ、また、株から別の資産に切り替える踏ん切りもつかずに、多くの人が苦労していることも現実です。

 A夫妻の資産の内訳を見ると、現金・預貯金の保有が極端に少ないのですが、二人とも会社員としての収入に加えて、株の配当収入があるため、今すぐ株を売って現金化する必要性を感じていません。

 とはいえ、50代になったことで、株の一部を債券に移して安定運用に切り替えることも必要です。そのことはAさんも認識しているのですが、保有株数が多過ぎて選別ができない状態です。

 そこでまず銘柄に売る順位を付けて、少しずつ整理していくことを提案します。順位を付けることができない人は第三者に客観的なアドバイスなどを受けることで、自身の銘柄に対する思惑と現実の相違がはっきりしてきます。

 また、譲渡益に約20%の税金がかかることを考えて株式を売れなくなる人も多いので、損益通算の仕組みを上手に使って、節税しながら整理していくことも必要です。