個人投資家がついていけずに上昇した日本株
日本株は大きく上昇しました。日経平均株価は3月16日の安値2万6,632円92銭を起点とすると、6月19日の高値3万3,772円89銭まで7,139円97銭、上昇率にして26.8%と、近年なかなかない本格的な上昇でした。
ただ、個人投資家の多くはこの上昇にしっかりと乗れていないようです。
筆者が個人投資家の実態を最も反映しているとして毎週チェックしている信用評価損益率は、6月23日時点で8.65%減。3月17日時点では10.91%減でした。確かに多少は改善はしているとはいえ、この間の日経平均株価の上昇に比べたら微々たるものです。
個人投資家が置いてけぼりになっていることが、今回の株価上昇の一つの特徴です。
そもそも株価の持つ特徴とは何か?
今回の日本株の上昇の理由については、評論家・専門家の方がさまざまな見解を述べていますが、実際のところは、日本株を大量に買った外国人投資家本人に聞いてみないと分かりません。
聞けたとしても、彼らが本音を言うとも思えませんから、上昇の理由は私たち個人投資家には分からないと思っておくべきでしょう。
ただ、彼らも何かしらの理由があって日本株を大量に買ったことは紛れもない事実です。ここで思い出したいのが、株価の持つ特徴である「将来の先見性」なのです。
一般的に、株価は6~9カ月程度の将来を見越して動くといわれています。ですから今回の外国人投資家の日本株買いは、買った理由は分からないが、彼らが遠くない将来、日本株にとってポジティブな状況が生じていると判断したから買ったのではないか?と推測することはできます。
筆者としては分からないものを追い求めるのは時間と労力の無駄だと思っており、それよりも株価が上昇した事実を重視し、その動きに素直に乗ることこそが個人投資家のやるべきことだと考えます。
ファンダメンタル分析に固執するとなぜ失敗するのか?
筆者は、この株価の先見性についてよく分かっていない個人投資家が結構多いように感じています。特にファンダメンタル分析に固執する個人投資家は非常に危険です。
なぜなら、個人投資家の行うファンダメンタル分析は、6~9カ月後の将来を予測して行うのではなく、足元の状況(企業業績や景気など)をもとに行っているからです。
ですから、株価が6~9カ月先の景気好転を先取りして上昇を始めているのに、足元の景気が良くないという理由から買いを入れることができなかったりします。
逆に将来の景気悪化を先取りして株価が下がっているのに、足元の景気は良いから、株価が割安になった、と勘違いして株を買ってしまうのです。
個人投資家にとって極めて重要な投資格言とは
筆者は、個人投資家にとって極めて重要な投資格言の一つが「株価は株価に聞け」だと思っています。
個人投資家は、ファンダメンタル分析で足元の企業業績や景気は把握することができるかもしれませんが、将来の企業業績や景気を予測・分析することはまずできません。
一方、株価は将来を先取りして動く特徴があるという点は先ほどお話しした通りです。
であるなら、個人投資家にとって、いくら足元のファンダメンタル分析をしても将来の株価がどうなるかは分からないわけですから、株価が動く方、つまり外国人投資家やプロ投資家が将来を先読みして起こした行動についていくのが無難だ、と言えるはずです。
ですから、自身がファンダメンタル分析をした結果と異なる株価の動きになったとしても、株価の動きに従って順張りで行動することが重要ですし、それが外国人投資家やプロ投資家と同じ方向を向くことにつながっていくのです。
株価が底打ちして上昇に転じるときの初期段階は、「なぜ株価が上がるのだろう?」と疑問に感じることがよくあります。
そのとき、株価上昇を疑問に感じつつも、株価が上昇トレンドになったという事実、つまり株価の動きに従って行動することが良い結果につながると感じています。
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