今日の為替ウォーキング
今日の一言
自分が選んだことをやるための時間はたいがい作れる。足りないのは時間ではなく意志だ
No Expectations
6月2日に発表された米国の5月雇用統計は、強弱まちまちな結果だった。非農業部門雇用者数は予想を1.8倍近く上回る大幅な増加となる一方で失業率は上昇し、賃金の伸びは鈍化した。
インフレ抑制には、雇用市場の需給バランスが「月10万人程度」になる必要があるとパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は考えている。今年になって就業者は毎月平均で32.6万人も増えた米国の雇用市場は、過熱状態が続いている。
しかし雇用が増えること自体に問題があるのかといえば、それは違うと、パウエル議長は否定する。むしろ、FRBの大幅利上げが続く中でも、米企業の業務拡大意欲が衰えないことはそれだけ米経済に体力がある証拠だと前向きな解釈もできる。
FRBが懸念しているのは、雇用者数ではなく、賃金上昇率だ。したがって、今回の雇用統計のように「雇用が増えて、賃金が下がる」状況は、米経済が体力を維持するなかで、インフレが低下しているという意味なので、FRBにとってもマーケットにとっても嬉しい結果なのだ。
FRBは、利上げを続けて米国経済をハードランディング(景気後退)に追い込むよりもこの辺りで1回休憩を挟むのが妥当と判断しているようだ。今後の経済指標でよほどのサプライズがないかぎり、6月の利上げは見送りの公算が大きい。7月以降の再利上げの可能性をちらつかせながらも、事実上の米利上げサイクル終了である。次のテーマは、FRBは「いつ利下げを開始するか」に徐々に移っていくことになるだろう。
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今週の注目経済指標
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