今日の為替ウォーキング
今日の一言
一匹の羊に率いられた百匹の狼の群れは、一頭の狼に率いられた百匹の羊の群れに負ける
Tonight's The Night
今夜は5月雇用統計の発表の前に、前回の結果を振り返ってみたい。
なお、今夜発表される米5月雇用統計の予想については、
「米雇用市場は強い予想。FRBの6月利上げ確定で円安再開か?5月米雇用統計 詳細レポート」
をご覧ください
前回4月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)が25.3人増えて、予想(+17.8万人)を大きく超える結果となった。教育や公共医療サービスの雇用が大きく増えた半面、これまで何カ月も雇用市場のけん引役となっていたホテル、観光部門やレジャー部門は急減した。
失業率は前月より0.1ポイント低下して3.4%。失業率は2022年3月以来、3.4%から3.7%のレンジで推移しているが、現在の水準は過去50年間で最も低く、働きたい人がほぼ全員仕事に就くことができる「完全雇用」に達しているといわれる。
平均労働賃金は前月比+0.5%、前年比+4.4%。2022年3月の5.6%をピークとして緩やかな下降傾向が続いているが、2023年になってからは4.4%前後で下げ止まっている。
4月の雇用統計の「労働参加率」は62.6%で、前月比横ばい。労働力の供給不足問題が解消に向かうことで、賃金上昇率が緩やかになりディスインフレ(物価上昇率低下)が進む期待があるが、2022年の労働参加率は62.1%から62.4%の範囲で推移。大きな改善は見られなかった。
米労働省が発表した4月のJOLTS(雇用動態調査)求人件数は、+35.8万件の1,010万件となり、予想外に増加した。ヘルスケア、小売、宿泊・飲食サービスなど、これまでの雇用増を引っ張ってきた業種の求人が減る一方で運輸や製造業が増えた。
JOLTSの結果は、米国の労働市場が引き続き引き締まった状態にあることを示している。求人と採用との間に大きな差があることも明らかになっており、労働力確保に向けた賃上げが続くなか、インフレ高進は当面は続くとみられる。