今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは140.50

 ↓下値メドは137.45円 

米利下げ:NY連銀総裁「インフレが下落すれば、利下げする必要があるだろう」
中国経済:観光業が復活。大手ホテルの予約が2019年比500%アップ
中国貿易:中国の貿易黒字に上振れリスク。ロシア、ブラジル、インド向け輸出が急増  
貸し渋り:欧州の銀行の融資却下件数、2015年以来の水準まで上昇
豪ドル:ロウRBA総裁「追加利上げを前広に検討」

市況

 6月1日(木曜)のドル/円は前日比「円高」。

 24時間のレンジは138.42円から139.95円。値幅は1.53円。 

 2023年109営業日目は139.32円からスタート。高値は東京時間夕方につけた139.95円。高値が140円未満だったのは5月24日以来6営業日ぶり。 米議会で債務上限停止法案が可決されて、この問題を巡る不透明感がなくなった。FRB(米連邦準備制度理事会)が6月利上げを妨げる理由のひとつが減ったことがドル買いを支えた。

 しかしNY市場になると、米指標が弱かったことでドルが売られた。ドル/円は夜遅くに139円を割ると138.42円まで下落。ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が、「米国の政策金利は休止水準に近づいている」と述べ、利上げ休止を示唆したこともドルの頭を押さえた。終値は138.81円(前日比▲0.50円)で139円台に戻ることはできなかった。

 今夜の雇用統計を前に、この日発表の5月ADP雇用データは予想以上に増加して+27.8万人となり、市場予想の+17.0万人を上回った。今夜の雇用統計が上振れならば、6月米利上げの期待が再び強まり、ドル/円140円超えのチャンスもある。ただし、統計方法を変更してからのADP雇用データは、雇用統計との食い違いが大きく、先取データとしてあまり役に立たないという意見もある。

 今週発表される米5月雇用統計の予想については、
「米雇用市場は強い予想。FRBの6月利上げ確定で円安再開か?5月米雇用統計 詳細レポート」
をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
139.95円(06/01)
140.40円(05/31)
140.93円(05/30)

サポート:
138.42円(06/01)
138.23円(05/24)
137.49円(05/22)

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

一匹の羊に率いられた百匹の狼の群れは、一頭の狼に率いられた百匹の羊の群れに負ける

Tonight's The Night

 今夜は5月雇用統計の発表の前に、前回の結果を振り返ってみたい。

 なお、今夜発表される米5月雇用統計の予想については、
「米雇用市場は強い予想。FRBの6月利上げ確定で円安再開か?5月米雇用統計 詳細レポート」
をご覧ください

 前回4月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)が25.3人増えて、予想(+17.8万人)を大きく超える結果となった。教育や公共医療サービスの雇用が大きく増えた半面、これまで何カ月も雇用市場のけん引役となっていたホテル、観光部門やレジャー部門は急減した。

 失業率は前月より0.1ポイント低下して3.4%。失業率は2022年3月以来、3.4%から3.7%のレンジで推移しているが、現在の水準は過去50年間で最も低く、働きたい人がほぼ全員仕事に就くことができる「完全雇用」に達しているといわれる。

 平均労働賃金は前月比+0.5%、前年比+4.4%。2022年3月の5.6%をピークとして緩やかな下降傾向が続いているが、2023年になってからは4.4%前後で下げ止まっている。

 4月の雇用統計の「労働参加率」は62.6%で、前月比横ばい。労働力の供給不足問題が解消に向かうことで、賃金上昇率が緩やかになりディスインフレ(物価上昇率低下)が進む期待があるが、2022年の労働参加率は62.1%から62.4%の範囲で推移。大きな改善は見られなかった。

 米労働省が発表した4月のJOLTS(雇用動態調査)求人件数は、+35.8万件の1,010万件となり、予想外に増加した。ヘルスケア、小売、宿泊・飲食サービスなど、これまでの雇用増を引っ張ってきた業種の求人が減る一方で運輸や製造業が増えた。

 JOLTSの結果は、米国の労働市場が引き続き引き締まった状態にあることを示している。求人と採用との間に大きな差があることも明らかになっており、労働力確保に向けた賃上げが続くなか、インフレ高進は当面は続くとみられる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

Winners & Losers

出所:楽天証券作成