今日の為替ウォーキング
今日の一言
勝つことよりも、負けないトレードを意識するべきである。負けないトレードをするということは、勝てる確率が低い難しい局面では、トレードしないという事だ。
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期待インフレ率とは、家計や企業が物価の行方をどう見るかの予想で、インフレ予想とも呼ばれている。期待インフレ率は、将来の物価や景気の先行きを予測するうえで重要な指標であるため、多くの中央銀行は金融政策の決定において、期待インフレ率の動向に注目している。
期待インフレ率の測定方法としては、家計や企業に対する中央銀行のアンケート調査から算出する、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI、固定利付債と物価連動国債の利回り格差)を利用する、あるいは過去のインフレ率の実績から算出するなどが挙げられるが、厳密に計測することは困難である。
一般的に、期待インフレ率、名目金利、実質金利には以下の関係が成り立つ:
期待インフレ率=名目金利-実質金利(フィッシャー方程式)
中央銀行が利上げして名目金利が上昇しても、人々がまだ物価が上がり続けると考えるとき、つまり期待インフレ率が高い場合は、実質金利は低くなるため、景気の過熱は続く。(例えば、名目金利が+2%、期待インフレ率が+2%の場合、実質金利は+0%)。
一方、中央銀行が利上げすることによって期待インフレ率が低くなれば、実質金利は上昇するので、景気過熱が収まると考えられる。
反対に、名目金利が低く、期待インフレ率もマイナスの場合、中央銀行が景気刺激等の目的で利下げしても、実質金利は高いため景気低迷から脱却することが難しい。(例えば、名目金利が+1%と低くても、期待インフレ率が-2%とマイナスであれば、実質金利は+3%になる)。
一方、中央銀行が期待インフレ率を高めることができれば実質金利は低下し、景気を拡大させることができると考えられる。
FRB(米連邦準備制度理事会)の問題は、利上げしても期待インフレ率がなかなか下がらないことである。日銀はその反対で、利下げ(大規模緩和政策)を続けても期待インフレ率が高まらず、日本の景気拡大が続かないことが問題となっている。
1978年から1980年の米国のインフレ率は年平均12.0%程度で、FRBは11.5%まで利上げした。2020年から2021年の米国のインフレ率は年7.0%程度で、FRBの利上げ着地は5.0%程度と予想されている。別の見方をすれば、FRBの政策効果がこの50年間でかなり高くなったということであり、FRBが市場から高い信頼を得たことを意味する。日銀は、残念ながらその逆である。