今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、ハイテク企業の決算に加え、地方銀行の決算発表が注目となります。金融システムを保護する目的でJPモルガン、シティグループ、バンク・オブ・アメリカなどといった複数の大手銀行が合計で約300億ドルを預け入れることで合意していますが、警戒感を完全に払拭(ふっしょく)したわけではありません。

 大手銀も引当金の積み増しに迫られており、金融混乱が完全に終息したとはいえず、銀行破綻リスクには依然警戒感があります。また、1-3月期GDP(国内総生産)や1-3月期雇用コストといった金融政策を左右する重要なインフレ指標も注目となります。

 今のところ利上げ幅は0.25%の予想ですが、重要なインフレ指標が悪化し、6月の利上げ観測が再燃した場合は再び売り圧力となるため警戒が必要です。

 経済指標では、4月リッチモンド連邦準備銀行製造業指数、3月卸売在庫、3月耐久財受注、週次新規失業保険申請件数、1-3月期GDP、3月中古住宅販売仮契約、1-3月期雇用コスト指数、4月ミシガン大消費者信頼感指数確定値などが予定されています。

先週の動き

 4月17日(月)は決算発表を控える中、景気悪化懸念が和らぎ主要3指標そろって反発し、NYダウは+100ドルの3万3,987ドルでした。

 18日(火)は、経済指標はおおむね予想通りで、決算はマチマチでNYダウは▲10ドルと横ばい。19日(水)は、金利高が上値を抑え、NYダウは▲79ドルと続落、20日(木)は、経済指標が軒並み弱く、地銀の決算もさえず、3指標そろって下落し、NYダウは▲110ドルと3日続落しました。

 週末21日(金)は、足もとで景気減速懸念が高まる中、4月の製造業・サービス業PMI(購買担当者指数)がともに市場予想を上回ったことで、3指標とも小反発。NYダウは+22ドルの3万3,808ドルと4日ぶりの反発。シカゴ日経先物は+115円の2万8,675円でした。

今週の指標:ドル/円

 今週は、5月2~3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の追加利上げが決定される可能性は高いものの、米国景気の減速懸念を背景に年内利下げ観測も広がっており、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性があります。

 ただ、年後半の利下げ観測も広がりつつあり、今後発表される経済指標が低調だった場合、景気減速が意識され、特に27日発表予定の米1-3月期GDPが予想を下回れば、ドル売りの要因となります。

 一方、27~28日開催の日本銀行金融政策決定会合も注目され、日銀は新体制発足に伴い今後、徐々に緩和政策を修正していくと期待されていますが、今回の会合では緩和方針を維持する公算が大きいようです。これを受けて、主要通貨に対する円売りが続くと予想され、ドル/円相場に対する下支え要因となりそうです。今週の予想レンジは133~135円を想定。

先週の動き

 先週は、週始めにFRB(米連邦準備制度理事会)理事による長期にわたる利上げの必要性の発言があり、ドルが大きく買われ132円台から一気に133円台後半へ、その後は19日(水)には135.13円まで買われ、134円台中心の動きとなり、週末は134.15円で引けました。結局、先週はドル高・円安の動きとなりました。